Lawrence White Iain Withers
[ロンドン 24日 ロイター] - 英銀行大手バークレイズが24日発表した第3・四半期決算は、利益がやや減少したものの、市場予想を上回った。主に米国を拠点とするクレジットカード事業の好調が投資銀行部門の減収を補った。
同行は預金者の獲得競争で収益が悪化しているとして、年内に大規模なコスト削減を実施する可能性を示唆。
特に国内市場の見通しは厳しく、収益率改善のために「重大な構造的コスト活動を検討している」と述べた。早ければ今年第4・四半期にも多額の費用を計上する可能性がある。
JPモルガンの銀行アナリストは「これにより、英国の銀行に対する市場予想が一段と下方修正される可能性が高い。ロイズやナットウエストに同様の悪い連想が働くだろう」と述べた。
朝方の株式市場はバークレイズが7%近く下落。ロイズとナットウエストも約3%下落している。
バークレイズのC・S・ベンカタクリシュナン最高経営責任者(CEO)は電話会見で、行内のさまざまな分野で効率性を追求すると発言。詳細には触れなった。
同行は今年、株価の押し上げに向けた戦略的な見直しを開始。すでに数百人の雇用削減などのコスト圧縮を進めている。
第3・四半期の税引き前利益は19億ポンド(23億3000万ドル)。前年同期は20億ポンド、アナリストのコンセンサス予想は17億7000万ポンドだった。
同行は予定にない余剰資本の株主還元を見送った。7月には7億5000万ポンドの自社株買いを発表し、さえなかった上期決算に対する反応が和らいだ。
ベンカタクリシュナンCEOは、通期決算発表の際に投資家に最新情報を提供し、資本配分の優先順位や財務目標の修正について説明すると述べた。
投資銀行部門は6%減収。
債券・為替・商品部門は13%減収となった。