Amina Niasse
[ニューヨーク 30日 ロイター] - 米国の別荘市場は、新型コロナウイルスのパンデミック期に観光地で起きた投資ブームで活況を呈したが、今では在庫不足がネックとなり、販売が3年前のピークから75%近くも落ち込んでいる。
住宅ローン情報サービス会社オプティマル・ブルーのデータによると、サウスカロライナ州ヒルトンヘッドアイランドやアリゾナ州レークハバスシティーといった著名観光地では、別荘は需要が引き続きかつてないほど強いにもかかわらず、販売がほぼ途絶えている。
ヒルトンヘッドアイランドとレークハバスシティーの販売件数は年初の時点では2019年初頭と比べて45%、79%の増加だったが、いずれも83%、87%の減少に転じている。
全米不動産業者協会(NAR)のデータによると、中古住宅市場に占める別荘の割合は8月時点で16%。これは15年終盤─20年上期平均の14%よりやや高いが、22年1月に付けたピークの22%からかなり下がっている。
マサチューセッツ州の著名観光地ケープコッドに拠点を置くウィリアム・ラベイス・リアル・エステートの販売担当副社長チャック・タトル氏は「物件が手に入らない」とこぼす。上質な物件が市場に出回れば、価格に関係なくあっという間に売れてしまうという。
タトル氏によると、借り入れコストの上昇と別荘販売の減少により、別荘市場に依存している不動産業者や住宅リフォーム業者の経営は悪化している。
アリゾナ州フラッグスタッフを拠点とするコパ・ホーム・サービシズのオーナー、ティム・アレン氏は「既存の賃貸向けサービスは伸びているが、新規のレンタル別荘向けの大掛かりな改装工事のサービスは止まっている」と話した。今年に入って新規のレンタル別荘のオーナーに向けに大規模な案件を手掛けた記憶はないという。