(内容を追加しました) [東京 2日 ロイター] - 総務省が2日発表した8月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出は29万1156円となり、実質前年比で2.9%増となった。増加は3カ月ぶり。月前半の気温上昇など天候に恵まれたこともあり、幅広い品目で増加したほか、一部に前年同月減少の反動増がみられたことなども押し上げ要因となった。
ロイターが民間調査機関に行った聞き取り調査では、前年比0.4%増が見込まれていたが、結果はこれを上回った。季節調整済み前月比も2.5%増と2カ月連続で増加した。 多くの項目が実質前年比で増加を示しているが、特に自動車購入などの交通・通信(同8.6%増)や設備修繕・維持などの住居(同15.2%増)、電気・ガス代などの光熱・水道(同6.8%増)などが増加に寄与している。 品目をみると、エアコンディショナが同81.6%増、国内パック旅行が同21.8%増、外食が同10.1%増などとなっており、天候要因が増加に寄与したとみられる。また、外壁・壁等工事が同35.8%増となるなど設備修繕・維持には前年減少の反動増がみられたほか、自動車購入も同24.8%増と大きく伸びた。
総務省では、設備修繕・維持や自動車購入など高額品が増加していることについて、前年減少の反動という面もあり、「今月の結果だけで伸びているとは言えない。もう少し先々まで見ていく必要がある」としている。ただ、幅広い品目で増加しており、消費支出は緩やかな回復の動きがみられるとして「このところ持ち直している」との基調判断を据え置いた。
8月の勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり47万5369円となり、実質前年比で2.2%増加した。増加は5カ月連続。名目も同2.5%増となった。
*総務省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。 http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm
(伊藤純夫)