[ロンドン 26日 ロイター] - 気候変動やサイバーセキュリティーといった主要リスクに各社が対処するのを支援するため企業、保険会社、政府は協力する必要がある──。26日に開かれた世界経済フォーラムのオンライン会合で複数の企業幹部がこうした見解を示した。
保険仲介ウィリス・タワーズ・ワトソンのジョン・ヘイリー最高経営責任者(CEO)は「官民パートナーシップ(PPP)が気候リスクに対処するのに唯一の方法だ」と述べた。
チューリッヒ保険のマリオ・グレコCEOは、保険会社が単独で気候・サイバーリスクに対処する能力はないが、こうした問題を政府に完全にアウトソースすべきでもないと語った。
欧米の政府と保険会社は将来のパンデミック(世界的大流行)に対する国家支援型の再保険プログラムを検討している。ただ、複数の保険筋がこれまでに明らかにしているところによると、各政府が現在の危機に注力しているため、進展は緩慢となっている。
ただ、英再保険市場運営のロイズ・オブ・ロンドン(ロイズ保険組合)などはこれまで、気候リスクやサイバー攻撃といったさまざまな「ブラックスワン(予想が難しく起きた時の影響が甚大な事象)」に対処するために幅広い戦略を呼び掛けている。
前出のヘイリーCEOは、リスクマネジャーはCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)に対して準備不足だったと指摘。「他の誰かと同じように、われわれはパンデミックとそれがもたらす結果を予測していなかった。このことはレジリエンス(強靭性・回復力)に関する想定を継続的に再考・検証する必要性を強めている」と述べた。