[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行)は3日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを25ベーシスポイント(bp)引き上げて0.35%とした。追加引き締めにも言及した。
利上げは2010年11月以来。大方の予想より大幅な引き上げとなった。
生活コストの上昇につながる可能性があり、再選を目指すモリソン首相の選挙運動に打撃となるとみられる。
ロウ総裁は、利上げ決定は選挙に影響されなかったと強調した。
中銀は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)下で経済を支えるため導入した異例の金融支援を縮小し始める適切な時期だと指摘。
ロウ総裁は声明で「理事会は国内インフレ率が時間とともに目標に回帰するよう必要な措置を講じる所存である」とし、「そのためには金利のさらなる引き上げが必要になる見込みだ」と言明した。
ロイター調査では多くのアナリストが0.25%への利上げを予想していたことから、発表を受けて豪ドルは約1%上昇した。
先月発表された第1・四半期の消費者物価指数(CPI)は前年比で5.1%上昇と、約20年ぶりの大幅な伸びを記録。コアインフレ率も3.7%と、2010年以降初めて中銀の目標レンジを上回っていた。
金利先物市場は、6月に0.75%への利上げが行われ、今年末までに2.5%前後、来年半ばまでには3.5%に引き上げられると予想している。
中銀は3500億豪ドル(2490億3000万ドル)を超える保有国債について、売却はせずに満期償還させる方針も明らかにした。
ロウ総裁は、時とともに金利が2.5%まで上昇すると考えるのは妥当と述べた。一方、中銀は世界的な不確実性を踏まえて引き締めのペースを検討する姿勢を強調した。