■2021年3月期見通し● 2021年3月期見通し足元の稼働状況については年度末に受注した分を手掛けているため、前年同期並み、若しくは上回って推移している。
しかし、2020年4月末の受注残高は前年同期を上回ったものの新型コロナウイルスの影響による企業の開発抑制の動きが今後出てくる可能性があるほか、TDCソフト (T:4687)の業績については下期偏重の傾向があるため、2021年3月期計画については見通しが立てづらい状況である。
同社では少なくとも2020年上期まではICT投資が抑制されることを想定している。
一方で、今回の新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛により、新しい生活様式が生まれている。
新しい生活様式への移行に伴い、クラウド化やキャッシュレス化など同社が進めるDX等の新技術を活用した高付加価値SIサービス分野の引き合いはこれまで以上に多い状況にある。
そのため、経済活動再開の流れが進むとともに、同社の受注状況が大きく改善してくる可能性がある。
また、政府は2020年5月27日、知的財産戦略本部を開き「知的財産推進計画2020」を決定している。
デジタル技術を使って行政や企業の事業を変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進を盛り込んでいる。
新型コロナウイルス対策でテレワークなどを導入する地方自治体や中小企業を支援し、日本企業が得意とするデータを活用してDXを推進する。
データを活用する新たな司令塔機能の設置など、政府内の新たな体制について関係府省で検討するとしており、政府のDX対策を背景に同社が推進する次世代型システムインテグレーターに向けた施策の変更は不要だろう。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)