こんにちは!フィスコリサーチレポーターの三井智映子です。
皆さんと一緒に投資や運用について、基本的なことを学んでいこうという連載「資産運用のABC」。
第2回目となりました。
よろしくお願い申し上げます!
前回のレポートで私は、「自分の資産の中で、どのくらいの額を、どのくらいの期間、どのくらいの利回りで、リスクはどのくらいとれるかを把握する、というのが資産運用について考えるための最初の課題です」、ということを申し上げました。
では、これをどう決めればいいのでしょうか。
「それが決められないから前に進めない」というご質問もありましたので、今回はその点について詳しくお伝えしたいと思います。
投資を始める前に確認しておいてほしいのは、次の4点です。
1.今投資できる資金がどれくらいあるのか
2.今後定期的に投資できる資金はあるか
3.どのくらい投資にかけられる時間があるか
4.どのくらいの利回りで運用するか
これらについて、ひとつずつ解説していくことにいたします。
1.今投資できる資金がどれくらいあるのか
預貯金など、手持ちのお金から今すぐ投資に回せる、回したい額を指します。
預金全額でなくてもちろん構いません。
投資用資金は余剰金、すぐに使わないお金であることが大切です。
投資の際は、例えば株式を保有している場合、株価が上がっているタイミングもあれば下がっているタイミングもあります。
余剰金でないと「お金が必要だから損しているタイミングだけど現金化しなきゃー」というようなことが起こりかねません。
2.今後定期的に投資できる資金はあるか
毎月の家計で貯金に回しているお金があれば、そのうちの一部、あるいは全部を投資に回す、というふうに考えてみてください。
繰り返しますが、必要があってする貯金を回すのではなく、あくまでも余剰金を投資に回すという意識をお忘れなく。
月5000円とか、1万円とかでオーケーです!
3.どのくらい投資にかけられる時間があるか
投資に勉強やメンテナンスは必要です。
たくさん利回りを得たい、つまり稼ぎたいという場合は、それだけ頻繁に取引したり、たくさん勉強したり、もしくはたくさんの資金が必要だったりします。
投資では「楽して年3割資金を増やしたいー」という人が結構います。
もちろんそれも無理ではないです。
ラッキーでそうなる人もいます。
でもずっとラッキーでい続けることはできませんよね。
例えばビジネスにおいて「将来的にこうなりたいから今はこれをやって、これが達成できたらこれをやろうと思う」という人と、「できるだけ収入増やしたいから、とりあえず流行りのビジネス始めてみようと思う」という人では、出る結果が当然のように違ってきます。
投資もそれと同じです。
安定して収入を得たいと思うなら努力が必要なのです。
どのくらい努力できるかでリターンも変わってきます。
無理しない範囲で考えてください。
4.どのくらいの利回りで運用するか。
とりあえず預金より多めの年2%くらいあればいい、ちょっと勉強して5%くらい、1日2時間くらいはトレードするから15%、しっかり勉強していずれはプロになるつもりだから30%…。
投資に取り組むにしても、そのスタンスはさまざまですよね。
その基本的な姿勢を、投資を始める前にはっきりさせておきたいところです。
これは3にも深く関わってきますが、それぞれのスタンスによって投資への取り組み方は大きく変わってきますし、選ぶ商品も変わってきます。
では、上記の4つのポイントを具体的に考えていってみましょう
例えば30代の女性で、今仕事が忙しくてあまり時間が取れないけれど、預金だけだと心許ないし運用を始めたい。
今は使わない予定の預金が120万あるが、定期預金もほとんど利子がつかないので、半分を投資用資金に回すつもり。
全額はちょっと怖いので…。
また月に3万円ずつ積み立て預金している分は投資に回したい。
投資の勉強をする余裕はあまりないけど、預金よりちょっと利回りをとりたいなーと思っている。
こんな人物像を想定してみます。
かなり具体的ですよね……、実は私の友人の話です。
でも、読者の方にも似たような状況の方、少なくないのではないでしょうか。
この例の人の場合、4つのポイントは以下の通りとなります。
1.60万円
2.3万円
3.あんまりない、休日に少し
4.まずは2%くらい(あまり勉強しなくていい商品を探しながら利回りは目処をつける)
条件が決まれば商品や投資スタイルも決まってきます。
例えば、この人はあまり勉強する時間もなくて利回りも預金よりは多い程度でいいということですから、比較的ハイリスクハイリターンなFXとか株式とかではなく、安定性の高い投資信託系のものへの投資が向いていることがわかります。
そのうえで、初期投資の60万円をどう使うのかを考えます。
月々定期的に使えるお金も3万円あるので、積立投信のようなものが、その候補に入ってくることになるでしょう。
そこまで分かってきたら、あとは具体的な商品を見つけていくことになります。
そのあたりのことは、今後この連載でもう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。
幸いなことに最近では、まさにこの例に上げたような人にぴったりの、株式と預金の中間にある投資商品が非常に豊富になってきています。
従来からある投資信託とは違う、小さなコストでプロ並みの運用ができる「THEO」などはまさにその代表格。
国際分散投資という高度な運用手法を取っていながら、ロボアドバイザーによる一括自動運用によって誰もが手軽に、しかも非常に低コストで利用できるという話題の商品です。
例に上げたような人の場合、まずはそうした手軽な商品を試しながら、その先投資や運用への理解が深まれば運用スタンスやポートフォリオを再検討していく、というのが、ひとつの解答として見えてくるわけです。
皆さんも、まず最初にご自身の投資資金について、ぜひ考えてみてくださいね!
三井智映子と学ぶ「資産運用のABC」は、資産運用の基礎を三井智映子の見解でコメントしています。
フィスコリサーチレポーター三井智映子