[東京 19日 ロイター] - ドル/円 JPY= ユーロ/ドル EUR= ユーロ/円 EURJPY= 午後3時現在 120.51/53 1.0770/74 129.80/84 正午現在 120.22/24 1.0793/97 129.76/80 午前9時現在 120.06/08 1.0846/50 130.23/27 NY午後5時 120.10/13 1.0866/69 130.16/20
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル高/ 円安の120円半ば。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文や米連邦準備理事会( FRB)議長会見をハト派的と織り込む動きから一時弱含んだが、国内投資家の押し目買 いや米系ブローカーの買戻し等を受け、小幅に反発した。
FOMCは声明で、利上げまで「忍耐強く(patient)」いられるという文言を削除 した一方、金利と成長率見通しが引き下げられた。これを受けて米金利が低下し、ドル売 りの流れが強まってドル/円は一時119.29円まで急落した。 その後いったん輸入勢による押し目買いで120円前半に値を戻したが、仲値公示に かけては短期筋とみられる売りなどで一時119.67円まで下押しした。 海外時間の流れを受けて「かなりたまっていたドル買いポジションを巻き戻す動きが 東京市場の参加者にも出ているようだ」と、あおぞら銀行の為替マーケットメイク課・課 長、諸我晃氏は指摘する。 午後に入ると、米系ブローカーによるドル買いが流入し再度強含む場面が見られた。
<ショート・スクイーズの大波かぶったユーロと英ポンドは再び下落>
ユーロはこの日、1.0920ドルの高値から1.07ドル半ばまで下落した。 前日ユーロは、米連邦公開市場委員会(FOMC)を挟んで、1.0580ドルから 1.1062ドル付近まで約500ポイントの幅で急伸した。 「この上げ方を見ると、ユーロを買い戻さなければならなかった投機筋がどれほど多 かったのかわかる」(投資家)。 ユーロの急伸は、原因とは一切関係なく、単に上昇に伴って「ショート・スクイーズ 」(損失を伴う売りポジションの巻き戻し)の大波が市場に押し寄せたことが背景だとさ れ、巻き戻しが一巡後の引き継いだ東京市場では、再びユーロ安が進行した。
ユーロと同様に、前日ショート・スクイーズが押し寄せたのが英ポンド。英ポンドは 前日、安値1.46360ドルから、1.51485ドルまで500ポイント以上急伸し たが、現在は1.49ドル付近に押し戻されている。
<国内投資家の「買い意欲強い」>
午前中の調整局面では、輸入企業や個人投資家による押し目買い意欲の強さが意識さ れていた。 実需筋の動きとしては、朝方に一部の輸出企業でドルを売る動きが観測されたものの 、「仲値にかけ、輸入企業の買いが優勢だった」(国内金融機関)との声が多く聞かれた 。ドル119円台では個人投資家の買い注文が多く観測されており、119円半ばに弱含 んだ場面では「投機筋の売りに踏み倒された」(国内金融機関)という。
ただ、その後は値を戻し120円台を回復。外為どっとコム総研の調査部長、神田卓 也氏は、FOMC前にドルが122円に上昇した局面で個人投資家はかなりドルロングを 手放していたとして「投資余力はある。下がれば買う人が圧倒的に多い。投機筋の売りが 出ても吸収している」と指摘していた。
財務省が19日に発表した3月8日―3月14日の対外及び対内証券売買契約等の 状況によると、本邦勢による対外株式投資は5106億円の買い越し。買い越しは17週 連続。対外中長期債投資は5511億円の買い越し。買い越しは8週連続となった。
<FOMC政策当局者による金利見通しの下方修正>
今回のFOMCでは、FF金利の見通しも大きく下方修正された。 タカ派3名を除いた平均ベースでは、2015年末の見通しが1.00%から0.7 5%に下方修正され、中立的なFF金利の水準に対する見通しも前回の3.70%から3 .57%に引き下げられた。
「見通しが次々に修正されているという事実は、FRB内で先行きこうなるという予 想や判断が誤り続けている証拠だ。イエレン議長からは、利上げについてはデータ次第と いうニュアンスしか伝わってこないが、それも無理のないことかもしれない」(投資家) との声も聞かれた。
(為替マーケットチーム)