Enrico Dela Cruz
[マニラ 20日 ロイター] - アジア開発銀行(ADB)は20日、日本など一部先進国を除くアジア太平洋地域の2023年の経済成長率が4.7%になるとの見通しを示し、7月時点の予想(4.8%)から下方修正した。
中国の不動産不況やエルニーニョ現象に関連するリスクが先行き不透明感をもたらしているとした。
一方、24年の成長率見通しは7月予想の4.7%から4.8%に引き上げた。
東アジア、南アジア、東南アジアの23年成長率見通しを引き下げ、中国は4.9%と7月予想の5.0%から下方修正し、インドも6.3%と、6.4%から若干引き下げた。
ADBは中国の不動産危機が「下振れリスクとなっており地域の成長の足かせとなる可能性がある」とした。
ADBのチーフエコノミスト、アルバート・パーク氏はこれまでのところアジア太平洋の途上国は堅調な成長を示し、インフレ圧力が後退しているが、各国政府は食料安全保障など地域が直面する多くの課題に注意を払う必要があると指摘した。
ADBはアジア太平洋地域の23年のインフレ率が3.6%と、前年の4.4%から鈍化する見通しとし、24年は3.5%にさらに和らぐと見込んだ。利上げと金融緩和サイクルが今後変化すると予想した。