[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比135円03銭高の2万8444円19銭と、4日続伸して取引を終えた。前日の米国市場では主要株価指数が下落したが日本株は円安が相場全体の支えになったほか内需株が底堅く、終値ベースで昨年9月以来、約半年ぶりの高値となった。
日経平均は安く寄り付いたものの、短時間でプラスに転じた。アジア株は総じて軟調だったが「日本株は円安を支えに上昇した」と、松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは指摘する。10日の特別清算指数(SQ)算出を控え「買い方の思惑も入ったようだ」(窪田氏)という。
前日の米国市場では、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて金融引き締めの再加速が警戒され主要3指数が下落した。一方、ドル/円で137円台へと前日から1円以上、円安が進んだ。
輸送用機器や電気機器、機械などの輸出関連株が目立って強かったわけではないが、円安は「米株安の中で、関連銘柄の下支え要因になった」(国内証券のストラテジスト)とみられる。加えて、小売業や陸運業などの内需株もしっかりだった。「中国景気回復への期待は根強く、インバウンド需要増への思惑が株価を押し上げた」(別の国内証券のアナリスト)という。
ドルはアジア時間も137円台後半に上値を伸ばし、歩調を合わせるように日経平均は一時160円25銭高の2万8469円41銭に上昇した。指数寄与度の大きいファーストリテイリングは、1銘柄で日経平均を50円程度押し上げた。
TOPIXは0.3%高の2051.21ポイントで、1年3カ月ぶり高値を更新した。東証プライム市場指数は前営業日比0.31%高の1055.5ポイントで取引を終了。プライム市場の売買代金は2兆7202億8500万円だった。東証33業種では、値上がりは陸運業や小売業、不動産業など24業種で、値下がりは鉱業や非鉄金属、石油・石炭製品など9業種だった。
個別では、エイチ・ツー・オー リテイリングが昨年来高値を更新。JR東海やTDKは堅調だった。一方、リクルートHLDGは軟調。東京エレクトロンや伊藤忠商事はさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1237銘柄(67%)、値下がりは521銘柄(28%)、変わらずは77銘柄(4%)だった。