[2日 ロイター] - アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンのムジャヒド報道官は、新政府が数日以内に発足すると明かした。タリバン幹部は大統領官邸で式典が準備されていると語った。
1996─2001年の統治下では過激なイスラム法を施行したタリバンだが、今回は人権保護などを保証するとして、より穏健な姿勢を見せている。
ただ、米国や欧州連合(EU)などは、新たなタリバン政権の正式承認とそれに伴う経済援助は実際の行動が条件だとして、タリバンの発言にはなお疑念を示している。
ドイツのマース外相は2日、イスラム主義組織タリバンが一定の条件を満たせばカブールでの外交活動を再開する用意があると述べた。
一方、北部のパンジシール渓谷で2日、タリバンと抵抗勢力の間で戦闘が行われ、双方に多くの死傷者が出た。同地域は国民的英雄マスード司令官の息子、アフマド・マスード氏率いる反タリバン勢力が支配する唯一の州。
タリバンのムジャヒド報道官は「地元の武装グループとの交渉が失敗したため作戦を開始した」と説明。タリバン兵がパンジシール州に入り、複数の地域を支配下に置いたという。また、抵抗勢力側に大きな被害が出たと主張した。
一方、抵抗勢力側のアフガニスタン民族抵抗戦線(NRFA)の報道官は、全ての峠や進入路を完全にコントロールしており、タリバンによる一部地域の奪還作戦を阻止したと述べた。
8月15日にタリバンが首都カブールを掌握して以来、マスード氏の指揮の下、地元民兵や政府軍の戦闘員数千人のがパンジシール州に集結している。