(ブルームバーグ): ソフトバンクグループ株が1年超ぶりの大幅安となった。新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な株式相場の混乱を受け、ビジョン・ファンドの投資先価値の下落を懸念する売りが広がっている。米投資会社のエリオット・マネジメントによる30億ドル取得の事実が明らかになる前の水準に逆戻りした。
株価は9日の取引で、一時前週末比9.1%安の4350円と大幅続落し昨年12月12日以来、3カ月ぶりの安値水準に沈んだ。下落率は2018年11月1日(9.1%)以来、1年4カ月ぶりの大きさ。
物言う株主(アクティビスト)と知られるポール・シンガー氏率いるエリオットのソフトバンクG株保有が明らかになったのは今年2月初旬。同社株が過小評価されているとして、2兆円規模の自社株買いの実施を提案していた。これを受け、株価は4600円台から一時5871円の高値を付けた。
また、孫正義社長は今月2日にニューヨークを訪れ、米国の機関投資家と会合し、今こそ投資の時だというメッセージを発したが、世界株急落の波に飲み込まれている。
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