[台北 16日 ロイター] - 台湾当局は16日、台湾のUBIファーマ(聯亞薬業)の新型コロナウイルスワクチン候補の生産・緊急使用を認めない決定を下した。域内産のワクチン開発が一歩後退した。
台湾は、米モデルナ、英アストラゼネカにワクチンを発注しているが、独自のワクチン開発も目指している。台湾初の独自開発となったメディゲン・ワクチン・バイオロジクス(高端疫苗生物製剤)のワクチンは来週に利用が始まる予定。
衛生福利部(衛生省)によると、UBIファーマのワクチン候補で作られた抗体は、アストラゼネカ製のワクチンに見劣りした。
ただ、UBIファーマはインドで第3相臨床試験を計画しているという。
陳時中・衛生福利部長(衛生相に相当)は記者団に、残念だが「一定の基準に従う必要がある」と発言した。
UBIファーマの株価は16日の取引で30%急落。同社は今回の決定について、業績への影響は限られており、第3相臨床試験の「メリットの評価」を見直すと表明した。
台湾では人口の約40%が少なくとも1回のワクチン接種を受けている。