[ロンドン 25日 ロイター] - 米格付け会社ムーディーズは25日公表したリポートで、新興国市場の経済は米経済を取り巻く問題によって引き続き悪影響を受けるとの見通しを示した。米国の利上げ、銀行システムのストレス、債務上限問題の余波で、新興国市場は与信にアクセスしにくくなり、資金調達コストも上がるとしている。
リポートは「多くの市場参加者の注目点が、世界経済の成長見通しと米金利の今後の軌道に戻ってきた」とし、米国のインフレ鎮静化スピードと米連邦準備理事会(FRB)の対応がリスク要因になると指摘した。
今年は大半の新興国市場で成長率が鈍化すると予想。リセッション(景気後退)や供給過剰への懸念から、中東、アフリカ、中南米のコモディティー輸出国が最も低迷するとの見通しを示した。
米国経済については、年後半に小幅なリセッションに陥ると予想している。