ドル/円
正午現在 83.39/44 1.3752/54 114.70/75
午前9時現在 83.46/51 1.3741/42 114.73/74
NY17時現在 83.49/54 1.3673/75 114.64/70
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[東京 22日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点に比べ若
干ドル安の83円前半。アイルランドが21日に国際的な金融支援を要請したことを受け、
ユーロが幅広く買い進まれ、対ドルでは10日ぶりの高値をつけた。
ユーロの上昇を受け、クロス円は全般に強含みとなったが、市場では「クロス円で売り
上がっている輸出企業も出ている」(邦銀)との指摘が聞かれた。 しかし、実需の売り
をこなして、ユーロは114円後半で底堅さを保ち、「次のターゲットとして、10月4
日につけた115.42円が意識されている」(同)という。
ユーロ/ドルは朝方の安値1.3685ドルから、一時1.3767ドル付近まで上昇
した。
ドル/円は早朝の取引で一時83.60円まで上値を伸ばし、その後は83円前半から
半ばを中心とする値動きとなった。市場では徐々に強気の見方が広がっており、「一目均
衡表のクモの上限となる83.63円が目先の目標。これを上抜けできれば、次は100
日移動平均の84.30円付近が視野に入ってくる」(信託銀)とされる。
<ユーロ高>
この日はユーロの堅調ぶりが目立つが、市場では、アイルランドの金融支援要請もさる
ことながら、「ポジションが軽くなったので、買いやすい」(外銀)との声も聞かれ、I
MM通貨先物の取組(11月16日までの週)で、ユーロ・ロングが先週までに大幅に圧
縮されたことにより、ユーロの上値が軽くなっているとの見方もでている。
米商品先物取引委員会(CFTC)が19日に発表したIMM通貨先物の取組(11月
16日までの週)によると、ドルの売り越しが前週から減少し、ユーロの買い越しは、前
週(11月9日までの週)の2万3283枚から、8606枚へと大幅に減少した。
アイルランドは21日、銀行セクターと財政の問題に対処するため、国際的な金融支援
を要請した。アイルランドのカウエン首相は「欧州当局はわれわれの要請を受け入れた。
今後数週間以内に合意がまとまる見通しだ」と語った。 欧州連合(EU)および国際通
貨基金(IMF)による支援の規模はまだ決まっていないが、5月に実施されたギリシャ
への支援よりも小さくなる見通し。 EU筋は「約800億―900億ユーロ
(1100億―1230億ドル)で協議している」と述べ、これにはアイルランドの銀行
セクターへの支援が含まれていると加えた。
主要7カ国(G7)財務相は21日、アイルランドがEUとIMFに金融支援を要請し
たことに歓迎の意を表明した。 カナダ財務省が出したG7財務相の共同声明は「欧州諸
国とIMFの協調行動は、リスクを軽減し、市場の安定を維持し、世界経済の回復を守る
ため、迅速かつ決断力を持って行動するというわれわれが共有する意思を反映している」
としている。
<中国>
この日は、中国が19日に実施した預金準備率の引き上げ(50ベーシスポイント)も
話題となった。国家発展改革委員会は22日、ウェブサイトで、中国は物価を基本的に安
定させ続けられる、との認識を示したが、市場では、インフレをコントロールするために
は、預金準備率の引き上げのみでは不十分で、基準金利の引き上げも必要との見方が広が
り、引き締めのタイミングに関心が集まっている。
「中国は政策金利の引き上げには慎重な姿勢を保つと思われるが、引き締めが実施され
れば、アジア通貨高となるだろう。ただ、日経平均を含めたアジア株がこれまでの上昇気
流を保てるか懸念が残る」と東海東京証券、トレーディンググループ・マネージャーの二
瓶洋氏は言う。
中国は、10月19日に3年ぶりの利上げを決断し、預金金利と貸出金利をそれぞれ
25ベーシスポイント(bp)ずつ引き上げた。利上げによって、1年物の基準金利は、
預金が2.5%、貸出が5.56%となった。エコノミストの多くは、次の利上げは年内
と予想している。
(ロイター 森佳子記者)