[シドニー 1日 ロイター] - 不動産コンサルタント、コアロジックが1日公表した2月の豪住宅価格は前月比2.1%上昇と、2003年8月以来の高い伸びを記録した。過去最低水準の金利と政府の住宅購入促進策が背景にあり、過熱懸念が強まった。
主要州都と地方の住宅価格がともに上昇。同時上昇は10年余りぶりだった。
住宅価格は1月に0.9%上昇していた。前年比では2月に4.0%上昇した。
主要州都の住宅価格は前月比2%上昇、前年比では2.6%の上昇だった。
地方の住宅価格は前月比2.1%上昇、前年比では9.4%の上昇だった。新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)を受けて生活スペースが広く、庭も付いている地方の住宅を購入する動きが広がった。
シドニーとメルボルンの価格はそれぞれ2.5%と2.1%上昇。2020年の低迷から持ち直している。ブリスベンとパースはどちらも1.5%上昇、ホバートは2.5%の大幅上昇だった。
コアロジックのリサーチ部門責任者のティム・ローレス氏はシドニーとメルボルンの持ち直しが持続するかは不明だが、現在のペースで上昇を続ければ遠くない将来に過去最高水準に到達するはずだと指摘。「世帯所得は頭打ちの状態が続き、刺激策は縮小される見通しのため、この2都市は値ごろ感が再び課題になるだろう」と述べた。
ただエコノミストらは、オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)がこれで金融緩和スタンスを転換させることはない、との見方を示す。
実際、RBAは1日、通常よりも多い40億豪ドルの債券買い入れを通告した。
ロイヤル・バンク・オブ・カナダのエコノミストは「きょうの動きは、市場が望む非伝統的な緩和手段に向けて、RBAがより柔軟なアプローチを取っていることを示している。RBAの決意が試されている時には、大胆かつ断固とした行動を取ることが必要だ」と指摘。明日、RBAが理事会に公表する声明文では、金利目標水準の達成と主要貸出金利の低位安定を確実にするため行動するとして、より強いコミットメントを追加するとの見通しを示した。
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