グローバルIT企業のIBMは米時間18日、ブロックチェーン技術を活用した新たな送金ネットワークサービス「World Wire」が開始したことを発表した。
World Wireは仮想通貨ステラ(XLM)や複数のブロックチェーンを活用した国際送金ネットワークで、米時間18日に発表されたばかりである。
IBM社は以前からブロックチェーン技術を積極的に包容しており、ハイパーレジャーやステラ・ネットワークを活用していることで有名だ。
食材のサプライチェーン経路を記録するサービスやリサイクリング、最近では機関投資家向けのセルフ・カストディサービスなどIBM社のブロックチェーン技術は様々な分野で活用されている。
また今回新たに発表された「World Wire」には既に6つの銀行が加入を表明しており、韓国、フィリピンやブラジルなどからの参画が公表された。
加盟を望む銀行の中にはデジタル版のユーロやインドネシアルピア、または法定通貨に裏付けされた独自のステーブルコインを送金目的で導入・利用する構想も明らかとなっている。
IBMの「World Wire」は米国での送金ポイントをまだ設置していないが、米規制当局からは「好ましい返答」が帰ってきたとIBM仮想通貨部門のVPであるJesse Lund氏は言及した。
「まずは米国以外のマーケットで展開するが、米国でのエンドポイントを追加するのはそう遠くないだろう。
今年の第2、3四半期頃になるだろう。
」そのため、まずは72カ国にある46の「エンドポイント」に47の通貨を利用して送金サービスを提供していく方針だ。
しかし将来的な構想としてLund氏は独自のステーブルコインをさらに導入していきたい意向を以下のようにコメントしている。
「ステーブルコインの提供が増えるに連れ、FXの概念そのものが変わると思う。
さらに多くの銀行、多くの通貨を含むステーブルコインのエコシステム構築に向けて尽力している。
」「さらに多くのステーブルコイン、つまり法定通貨に裏付けされたデジタルトークン、そしていずれは中央銀行が発行するデジタル法定通貨も取り入れていきたい。
」またWorld Wireへの加盟を表明しているフィリピンのRCBC銀行の副社長、Manny Narcisco氏は以下のように述べた。
「RCBCは早期のイノベーターとして、(規制当局の認可が通り次第)ペソ建の独自ステーブルコインをWorld Wire上で発行できて大変嬉しく思っている。
」「我々は顧客に価値を与えるイノベーションを重要視しているため、送金のインフラを変え、向上するWorld Wireとの提携は大きな機会だ。
」ブロックチェーン技術を活用して送金、サプライチェーン、カストディ等、多岐に渡る分野で事業を展開する大手IBM社の動向は今後も見逃せない。
(記事提供:コインポスト)