[メキシコ市 20日 ロイター] - メキシコ治安省の発表によると、2019年に同国で発生した殺人件数は前年比2.5%増の3万4582件で、過去最多となった。2018年12月に就任したロペス・オブラドール大統領は、より穏健な治安運営を公約しているが、暴力が増加し続ける形となっている。
メキシコは2006年以来、麻薬カルテル対策で軍を起用してきたが、密輸犯を逮捕・殺害しても麻薬がらみの暴力抑制につながらず、犯罪組織間の抗争で殺人が増加する結果を招いていた。
こうした事態を受け、当局は先週、犯罪司法制度の全面見直し案を議会に提出。来月上院で審議されることとなった。進展すれば、米国との安全保障協力がより円滑に運ぶ可能性がある。