[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は反落し、大引けは前日比164円28銭安の2万6821円52銭となった。手掛かり材料難から模様眺めムードが支配した。
前週末8日の米国株式市場は、不安定な地合いの中、ダウ工業株30種が上昇。米10年債利回りが3年ぶりの高水準を付け、銀行株が回復した。一方、S&P総合500種とナスダック総合は下落した。
これを受けた日本株は前場は一時プラスとなる場面があったものの、中盤以降は総じて「月曜ボケ」のような状態となり、安値圏で一進一退。手掛かり材料に乏しい中、フィラデルフィア半導体(SOX)指数の大幅下落を受け、半導体関連株などが上値を抑える格好となった。
個別では、前週末に好決算を発表した安川電機の動きが注目されたものの、中盤から失速。指数寄与度が大きいファーストリテイリングの下落も日経平均の動きを重くした。
半面、岸田文雄首相が8日の会見で、対ロシア制裁を巡って懸念される日本のエネルギー不足の可能性について「夏や冬の電力逼迫を回避するため再生エネルギーや原子力など脱炭素の効果の高い電源を最大限活用する」と述べたことを受け、東京電力ホールディングスが東証プライム市場で値上がり率第1位となるなど、電力株や再生エネルギー関連株が幅広く物色された。
市場では「原油高、米金利上昇が意識される一方で、下値も底堅い。当面は上値、下値ともに行きづらい展開となるのではないか」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との声が聞かれる。
TOPIXは0.38%安。東証プライム市場の売買代金は、2兆5014億8100万円だった。東証33業種では、精密機器、情報・通信業、電気機器などハイテク系が下落した一方、電気・ガス業の上昇が目立つ。
プライム市場の騰落数は、値上がり600銘柄(32%)に対し、値下がりが1189銘柄(64%)、変わらずが50銘柄(2%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 26821.52 -164.28 26877.60 26720.46
─27004.50
TOPIX 1889.64 -7.15 1892.70 1881.82
─1897.55
東証出来高(万株) 114889 東証売買代金(億円) 25014.81