2023年に記録された3170万人の乗客数と比べ、2028年までに10％の乗客増が見込まれている。この成長は、このセクターがパンデミック以前のレベルを上回るまでに回復したことによる。クルーズ・ラインズ・インターナショナル・アソシエーション（CLIA）の欧州担当ディレクター、マリー＝カロリーヌ・ローランは、予想される需要に対応するため、現在の約300隻に加え、新たに57隻のクルーズ船を発注すると発表した。
環境問題に対応し、2030年までに予定されているEUの海事規制を満たすため、クルーズ会社は港に停泊している間、汚染度の高い船舶燃料の代わりに電気を使用するよう船を改造している。しかし、業界の拡大には課題がないわけではない。ヨーロッパの人気観光地ではオーバーツーリズムをめぐる抗議デモが起きており、最近ではバルセロナで観光客を水鉄砲で狙うデモが起きた。
CLIAの代表者によれば、ヨーロッパ最大のクルーズ船寄港地であるバルセロナは、同市全体の観光客数のわずか4％しか占めていない。にもかかわらず、バルセロナ市長のジャウマ・コルボニ氏は、1日クルーズの寄港回数を減らすため、港と新たな協定を交渉する意向を示している。
CLIAのローラン氏は、この抗議行動が今後のクルーズの旅程に与える潜在的な影響について強調し、乗客の便宜を図るための調整が行われる可能性を示唆した。彼女は、アジア、北欧、カリブ海、地中海の代替港へのクルーズ休暇の拡大に業界が注力する可能性を示唆した。
世界旅行ツーリズム協議会（World Travel & Tourism Council）は、スペインの観光収入が2024年に1000億ユーロに迫り、2019年から11％増加すると予測しているが、クルーズ部門はスペインへの年間訪問者数が5％増と小幅になると予測している。この数字は、スペイン当局が予想する夏の観光客全体の13％増を大きく下回っている。
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