アップル社は、第3四半期にウォール街の予想を上回るiPhoneの販売台数を記録し、成長を回復した。この好業績は、中国の重要な市場における予想以上の売上減少を相殺するのに役立っている。
テック大手は、6月29日に終了する四半期の売上高が4.9％増の857億8000万ドルに達し、アナリスト予想の平均値845億3000万ドルを上回ったと発表した。競争の激しい状況にもかかわらず、iPhoneの販売台数はわずか0.9％減の393億ドルにとどまり、アナリスト予想の2.2％減を下回った。
アップルのルカ・マエストリ最高財務責任者（CFO）は、iPhone 15のラインアップは発売以来好調で、前回のiPhone 14のサイクルを上回っていると表明した。同社は中国で戦略的な価格設定に取り組んでおり、ファーウェイのような低価格の現地ブランドとの競争力を高めるため、一部のモデルで最大2,300元（317ドル）の割引を提供している。
こうした努力にもかかわらず、アップルの中華圏からの売上は6.5％減の147億3000万ドルとなり、アナリストが予想した2.4％減を上回った。マエストリは、為替の影響を除けば、中国の売上高の減少は3％未満だったと指摘した。
アナリストの間では、9月に発売が予定されているiPhone 16シリーズへの期待が依然高く、特に6月の開発者会議でApple Intelligenceが紹介されたことを受けている。これらのAIを活用した製品やサービスは、少なくともiPhone 15 Proを必要とするため、アップグレードを促す可能性がある。
アップルのAI分野への参入は、サムスン電子、マイクロソフト、グーグルのアルファベットといった競合他社に続くもので、いずれもAI技術に多額の投資を行っている。
アップルは研究開発費も増やしており、ティム・クック最高経営責任者（CEO）は過去5年間で1000億ドル以上を研究開発に投資したことを明らかにした。
規制面では、アップルは欧州連合（EU）においてデジタル市場法に基づく3つの調査を受けており、米司法省からはスマートフォン市場を独占しているとの非難を受けている。
当四半期、アップルの1株当たり利益は1.40ドルとなり、ウォール街のコンセンサス1.35ドルを上回った。App Store、Apple Music、Apple TV製品などを含む同社のサービス部門は14.1％増の242億1000万ドルとなり、予想を上回った。Macの売上は小幅な伸びとなったが、iPadの売上は23.7％増の71.6億ドルと急増し、アナリスト予想を上回った。しかし、アップルウォッチやAirPodsを含むウェアラブル部門は2.3％減の81.0億ドルとなったが、それでもアナリスト予想を上回った。
アップルは配当を25セントに据え置き、第2四半期に1100億ドルの自社株買いを発表している。決算報告を受け、アップル株は取引時間を延長して2％上昇した。
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