イタリアの高級ファッションブランド、モンクレールの株価が本日大幅に上昇した。フランスの高級品コングロマリットLVMHが同社に出資したことで、高級品セクターにおける合併・買収(M&A)の可能性が取り沙汰されている。年初来6.5%下落していたモンクレール株は、LVMHがモンクレールのCEOレモ・ルフィーニ氏が率いる投資会社ダブルRの10%の株式を取得したことが明らかになり、取引開始直後に最大15%上昇した。ダブルRはモンクレールの15.8%の株式を保有している。
この取引により、LVMHはモンクレールの約1.6%の株式を間接的に取得したことになり、今後18ヶ月以内に4%まで増やすオプションを持っている。アナリストたちは、この動きをLVMHによる戦略的なポジショニングと見ており、将来的なモンクレール買収の布石となる可能性があると指摘している。バーンスタインのアナリスト、ルカ・ソルカ氏は、LVMHがモンクレール買収の機会を活用するための準備を整えている可能性があると述べた。
グリニッジ標準時9時44分時点で、モンクレール株は10%上昇。一方、高級品市場全体の減速を受けて年初来7.5%下落していたLVMH株も2%上昇した。高級ダウンジャケットで知られるモンクレールは、近年の高級品業界で最も優れたパフォーマンスを示しており、以前から買収対象として取り沙汰されていた。
高級品セクターにとってさらなる好材料として、中国の景気刺激策に関する報道が伝えられ、高級品株が上昇するとともに、高級消費の回復への期待が高まった。投資家の間では、高級品ブランドにとって重要な市場である中国の経済的課題により、高級品市場の減速に対する懸念が広がっていた。
アナリストたちは、現在の市場環境においてLVMHのモンクレール投資は時宜を得た戦略的な動きだと見ている。RBCのピラル・ダダニア氏は、モンクレールのような確立されたグループへの少数株投資は、フランスが自社株買いへの新税を検討していることや、大規模で信頼できるM&A対象が不足していることを考慮すると、余剰資金の賢明な配分方法だと指摘した。
パンデミック以前、モンクレールはフランスのファッションコングロマリットKeringの有力なパートナー候補と見られていた。Keringはその後、高級香水ブランドのクリードを買収し、レッドカーペットの人気ブランドであるヴァレンティノの株式を取得するなど、ポートフォリオの多様化を図る一方で、主力ブランドのグッチの再活性化に注力している。
LVMHのモンクレールへの投資は、2021年にイタリアの高級靴メーカーTod'sへの出資を増やした際と同様に、高級ブランドの長期的なビジョンを支援するという同社の方針に沿ったものだ。LVMHは過去に多数株主としても少数株主としても事業を展開してきた実績があり、高級品セクターへの投資に柔軟なアプローチを取っていることを示唆している。
モンクレールのCEOレモ・ルフィーニ氏は、戦略的なコラボレーションや2020年のStone Island買収など、モンクレールの成長に重要な役割を果たしてきた。LVMHは同氏のブランドに対する継続的なビジョンを支持している。
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