ドル/円
正午現在 82.37/40 1.3324/30 109.78/83
午前9時現在 82.67/70 1.3286/90 109.85/90
NY17時現在 82.67/71 1.3303/08 110.03/07
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[東京 7日 ロイター] 正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ
ドル安の82円前半。午前の取引は全般的に円が強く、ドル/円、ユーロ/円ともに下落
した。米長期金利が低下していることや、中国の利上げ観測が強まったことが影響し、
「消去法的に円が買われた」(国内金融機関)という。欧州の債務問題が不透明なユーロ
はドルに対しても軟調に推移したが、中国の短期市場金利の低下が伝われると買い戻さ
れた。
ドル/円は仲値公示後に下落。前日に83円台に乗せられなかったことから、もともと
上値が重く、じりじりと値を下げていたが、82.50円手前にあったストップロスオー
ダーを巻き込むと82.40円付近まで急落した。
米国の11月雇用統計が予想を下回ったことや、量的緩和拡大観測が広がったことで米
長期金利が低下。クロス円が軟調なこともあり、ドルは円に対して値を下げた。
米10年債利回りは12月3日に3%台に乗せたが、その後は再び2.8─2.9%台
で推移している。「米国は日本と似た状況になってきた。これから米国の金利は下がると
思う」(外銀)との声が聞かれた。「銀行の預貸ギャップが拡大してて、銀行が債券を買
っている。しかもディスインフレ圧力がかかっている。市場はインフレを織り込んでいる
が、日本の経験からそうなるとは思えない」(同)という。
<豪ドルとNZドル、急落から上昇に転じる>
ユーロ/円は一時109.58円付近まで、ユーロ/ドルも1.3277ドル付近まで
下落した。中国の利上げ観測が強まったほか、欧州の債務危機をめぐりユーロ圏の足並み
がそろわないこと、ハンガリーの債務格付けが格下げされたことなどが影響した。
国際通貨基金(IMF)はユーロ圏救済資金の規模を拡大させる必要があると指摘した
が、ドイツはこれに反対。ドイツは欧州共同債券の発行にも難色を示した。また、米格付
け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスはハンガリーの債務格付けを「Baa1」
からジャンク(投機的等級)を1段階上回る「Baa3」に引き下げた。長期の財政に
対する懸念と外的要因にぜい弱な点を理由に挙げ、見通しは「ネガティブ」で、一段の格
下げを行う可能性があるとも警告した。
ただ、ユーロ/ドルはその後に上昇。午前の高値1.3333ドルをつけた。「前日か
ら中国が週末に利上げするとの噂が広がり、市場はリスクオフモードになっていたが、
(中国)短期市場金利の低下で、ユーロなどに買い戻しが入っている」(証券会社)とい
う。短期流動性を測る物差しとなる期間7日のレポレートの加重平均
前中に103ベーシスポイント(bp)低下し、2.02%をつけた。前日終盤は
3.05%だった。
豪ドルも中国の利上げ観測で0.9870米ドル付近まで下落したが、その後は
0.9910米ドルに上昇。ニュージーランド(NZ)ドルも、きょうの安値
0.7583米ドルをつけたあとは上昇に転じた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)