1319GMT 11日終盤
ユーロ/ドル
ドル/円
ユーロ/円
12日終値 前営業日終値
株 FT100 5383.45(+ 49.24) 5334.21
クセトラDAX 6183.49(+145.78) 6037.71
金 現物午後値決め 1237.50 1222.50
先物 現物利回り
3カ月物ユーロ(6月限) 99.260 (+0.030) 0.207(0.214)
独連邦債2年物 0.576(0.588)
独連邦債10年物(6月限) 125.65 (+0.02) 2.952(2.941)
独連邦債30年物 3.754(3.756)
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<為替> スペインが一段と厳しい歳出削減計画を発表したことを受け、ユーロが小幅
上昇。
欧州連合(EU)統計局が発表した第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)伸び
率で、ユーロ圏経済が緩やかな回復に向かっていることが示されたことも後押しした。
ただユーロ圏の財務基盤の弱い国の財政赤字削減能力に対する懸念が払しょくしきれな
いことや、財政緊縮策が欧州の経済成長に与える影響に対する懸念から、ユーロの上昇は
限定的となった。
<株式> ロンドン株式市場は反発。英連立政権の発足を受けて投資家に安心感が広が
るなか、航空・防衛株が買われ相場を押し上げた。
連立政権の顔ぶれや、新国防相に保守党のリアム・フォックス氏が指名されたことを好
感し、ロールスロイス
5.4%上昇した。
防衛アナリストのポール・ビーバー氏は「フォックス氏は防衛に関し強硬派で、自身の
意見を通そうとするだろう」と述べた。
連立政権が安定をもたらすとの見方を背景にアウトソーシング企業も買われた。キャピ
タ
個別銘柄ではケータリング世界最大手のコンパス・グループ
上期決算が底堅い内容となった。
ハーグリーブズ・ランズダウンの英株式部門主任リチャード・ハンター氏は、引き続き
堅調な企業決算はここ数週間忘れられていた材料のひとつとしたうえで、連立政権の発足
で不透明感が一部払しょくされたことから、相場を支援する新たな要因が出てくる可能性
があると指摘した。
旅行関連株も買われ、TUIトラベル
6%とそれぞれ大幅高。11日夜、一部地域で火山灰の影響が出ていたが、欧州の空の便
は正常に戻っている。
銀行株はまちまち。一部国有化されている銀行が売られた。トレーダーからは、新政権
が銀行の解体や課徴金の導入を計画しているとの懸念を指摘する声が聞かれた。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド
グループ
配当落ちとなったバークレイズ
エネルギー株は軟調。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が発表した統計で原
油在庫が予想を上回って増加したことを受け、米原油先物
BP
た。
欧州株式市場は反発。アリアンツ
好決算が相場を支援したほか、スペインが歳出削減計画を発表したこと受け、市場心理が
改善した。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は13.56ポイント(1.31%)
高の1048.56。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は33.83ポイント(1.24%)高
の2764.31。
金融株が高い。アリアンツは3.4%高。第1・四半期純利益が3倍超となった。第1
・四半期決算が市場予想を上回ったINGも4.2%高。
銀行株ではBNPパリバ
バンコ・サンタンデール
個別銘柄ではドイツテレコム
想と一致し、通年見通しを維持した。
スペインのサパテロ首相は同日、財政健全化に向け、公務員の賃金を今年5%カットし、
公共投資を60億ユーロ削減する方針を示した。これにより、今年の財政赤字は国内総生
産(GDP)比9.3%、来年は同6%に低下する見通し。昨年は同11.2%だった。
この日発表のユーロ圏指標は強弱まちまちとなった。
第1・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)伸び率速報値は前期比プラス0.2%、
前年比プラス0.5%と、予想と一致。ユーロ圏経済が緩やかな回復に向かっていること
が明らかになった。
一方、3月のユーロ圏の鉱工業生産は、前年同月比6.9%増と、市場予想を上回った。
英国立統計局(ONS)が発表した4月の英失業率は予想以上に減少したものの、
ILO方式では1994年以来の高水準となった。
<ユーロ圏債券> 欧州中央銀行(ECB)による国債買い入れが引き続き支援し、ユ
ーロ圏周辺国の国債利回りが低下した。スペインの緊縮財政措置を受けリスク許容度が高
まった。
ノルディア(コペンハーゲン)のチーフアナリスト、ニルス・フロム氏は「市場は緊急
支援措置への信頼を取り戻しており、欧州中央銀行(ECB)が積極性を増すなか市場に
大口の買い手がある」と述べた。
債券ディーラーによると、ユーロ圏の中央銀行はポルトガル、アイルランド、ギリシャ
国債に買いを入れているもよう。
スペインは財政赤字削減に向けた取り組みとして、追加の緊縮財政措置を発表した。こ
れを受けて独連邦債先物は一時下落し、欧州のFTSEユーロファースト300種指数
<.FTEU3>は上昇した。
独連邦債先物
独連邦債10年物利回り
り
2・10年債の利回り格差は一時238bpと、少なくとも1999年以来の水準に拡
大した。利上げ観測が後退し2年債に対する強い需要を支えた。
ギリシャ国債の独連邦債に対する利回り格差は約453bpと、3週間超ぶりの水準に
縮小した。
ユーロ周辺国の国債保証コストも低下した。ギリシャ国債のクレジット・デフォルト・
スワップ(CDS)スプレッドは約15bp低下し495.6bp。スペインも
161.2bpから142.7bpに低下した。CDSスプレッド1bpは、
債務1000万ユーロに対する保証料1000ユーロに相当する。
ポルトガルがこの日実施した10億ユーロの10年債入札には堅調な需要が見られ、投
資家の信頼感が回復していることが示された。
[東京 13日 ロイター]