日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNIU0>
終値 10238.01 (+242.99) 終値 10230 (+230)
寄り付き 10109.27 寄り付き 10120
安値/高値 10109.27─10251.9 安値/高値 10100─10250
出来高(万株) 177107 出来高(単位) 65487
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[東京 21日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は反発した。中国の人民元柔軟
化方針を受け、材料出尽くし感や中国経済の底堅い成長が裏付けられたとの見方からコマ
ツ<6301.T>、日立建機<6305.T>などの中国関連銘柄を中心に買われた。為替が落ち着いて
推移したことで、安心感から輸出株も買いにつながったとみられる。ただ、CTA(商品
投資顧問業者)による取引が中心で、現物を買い進める地合いではなく、目先の海外市場
の動向を見極めようと手控えムードが広がった。
東証1部騰落数は値上がり1469銘柄に対して値下がり141銘柄、変わらずが65
銘柄。東証1部の売買代金は1兆3029億円だった。
人民元柔軟化政策が打ち出されたことで、外為市場は21日早朝の取引でドル/円がい
ったん90円前半へと円高に反応したが、その後はおおむね90円後半で推移した。株式
市場では目先は人民元高/円安が進むとの見方から、建機メーカー株のほか、日本郵船
<9101.T>や商船三井<9104.T>など海運株もしっかり。資生堂<4911.T>にも買いが入るなど、
中国関連株が積極的に物色された。円高が進まなかったことから、輸出関連株にも買いが
みられた。
みずほ総研シニアエコノミストの武内浩二氏は「人民元の上昇方向は想定されていたの
で、株式市場では懸念よりむしろ材料出尽くしによる安心感で買いが入っているようだ。
日本株は前週の米株価と比べまだ戻り余地があることも背景となっている」と指摘した。
GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)で米株先物(S&Pは<0#SP:>)
も底堅く推移したことから買い安心感が出ていた。
日経平均の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は低水準で、日経225オプ
ション<0#JNI*.OS>9月物のストライク価格1万円のプットは20%前半で推移。日経平
均は後場に入って上げ幅を拡大し、TOPIXは5月20日以来約1カ月ぶりに900ポ
イントを回復した。国内証券のトレーダーは、金価格が目先下げればリスクマネーが株式
市場に流入する可能性があるとし、海外の状況次第では日経平均は1万1000円を回復
すると予想する。
中国株式市場の上海総合株価指数<.SSEC>や香港ハンセン指数<.HSI>をはじめアジア株
が大きく上昇し、東京市場も大幅高となったが、足元で楽観論は広がっていない。邦銀系
の株式トレーダーによると、アジア株につられて一部で買い戻しがみられたものの、取引
の中心はCTA(商品投資顧問業者)という。日本株買いの手掛かりが乏しく、日経平均
は1万0300円を回復しても、1万0500円は難しいと同トレーダーはみている。
また、大手証券のトレーダーは「買い注文はそれほどみられず、人民元の柔軟化を好感
して日本株の現物を買い進める状況ではない」という。そのうえで「欧州の債務問題が好
転したわけではなく、日経平均は現時点で1万0500円まで上昇すればいい」と指摘す
る。
個別銘柄では、トヨタ自動車<7203.T>が買われた。中国国営メディアによると、トヨタ
系列部品メーカー、豊田合成<7282.T>の中国製造子会社で3日間にわたって行われていた
ストは、19日午後に労使の合意が成立し、20日午前から部品工場の稼働を再開した。
これを受け、トヨタ株は一時3300円台に上昇した。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)