ドル/円
午後3時現在 76.88/91 1.4334/38 110.21/26
正午現在 76.87/88 1.4352/53 110.31/37
午前9時現在 77.12/16 1.4354/55 110.70/76
NY17時現在 77.22/26 1.4390/95 110.61/66
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[東京 10日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時に比
べてドル安の76円後半。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明を受けてパニック的
な市場の雰囲気は和らいだが、景気の先行き不安から投資家のリスク許容度は改善せず、
依然として安全資産とされる円が買われやすかった。
<国内の年金が買い支え>
前日のニューヨーク市場後半の流れを引き継ぎ、アジア時間のドル/円は序盤に
77.40円まで上昇した。しかし日経平均の戻りが鈍く、株式相場に敏感なクロス円が
下落。ドル/円も上値を重くして77円を割り込んだ。
2年間はゼロ金利政策を継続するとしたFOMCの声明は、市場の混乱を落ち着かせる
効果があったと、ステート・ストリート銀行の富田公彦・金融市場部長は話す。しかし
「(4日の記者会見で)欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が景気の先行きに悲観的
な発言をして注目を集めたが、昨日のFOMCも景気判断を下方修正した。為替市場は、
世界的に景気がいまひとつなので積極的にリスクは取れないという見方に傾いているのだ
ろう」と同氏は指摘した。
この日の仲値は需給がほぼきっ抗。商業決済が集中する五・十日に当たり、ドル/円は
「売りも買いもけっこう出ていた」(国内銀行)との声が聞かれた。外銀が売る一方、年
金とみられる日本勢の買いが観測され、「彼らが買い支えている感じだ」(別の国内銀
行)との声が聞かれた。日本勢の外貨買いはクロス円でも見られ、「ユーロ110円割れ
の水準は底堅そう」(同)という。
<市場のQE3期待高まる>
正午に発表された中国の7月貿易統計は市場予想を上回ったものの、投資家は慎重な姿
勢を崩さず、中国経済と結びつきが強いオーストラリアの通貨、豪ドルの上昇は小幅にと
どまった。
米国の金融政策に打ち止め感が出ておらず、市場では追加緩和期待も強まっている。
FOMC後にロイターがプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)20社を
対象に実施した調査では、6カ月以内の量的緩和第3弾(QE3)実施の予想確率(中央
値)は、5日時点の27.5%から37.5%に上昇した。 このため、ドル/円の下振
れが意識されており、「ドルはいずれ過去最安値を更新する」(国内金融機関)との声が
出ていた。
(ロイターニュース 久保 信博記者)