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東京外為市場・午後3時=ドル76円半ば、リスク回避和らぎユーロは1.36ドル回復

発行済 2011-09-29 15:44

       ドル/円   ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 76.53/55  1.3617/21  104.22/27

正午現在   76.54/56  1.3565/70  103.83/88

午前9時現在 76.53/54  1.3521/24  103.47/52

NY17時現在 76.52/57  1.3529/30 103.73/78

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 [東京 29日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点

とほぼ同じ、76円半ばで推移している。9月末をにらんだ実需勢の売りに上値を押さえ

られ、終日、76円半ばの狭いレンジでもみあった。ユーロ/ドルは欧米株安を受けたリ

スク回避から、東京市場午前にかけて1.35ドル前半まで売られたが、その後は米株価

指数先物の切り返しなどからリスク回避の動きが和らぎ、1.36ドル前半まで値を戻し

た。

 9月末をにらんだ実需勢の売り圧力は、スポットベースの9月末日応答日だった昨日よ

りは少ないものの「きょうもパラパラと出てきている。買いより売りが優勢なことは確か

で、76円後半は重くなっている」(国内金融機関)という。

 一方で、76円前半では水準感からの介入警戒感がくすぶり始めるため、下値を攻める

動きもみられない。個人からは76円前半で買い注文を入れているが、76円後半では手

仕舞う短期のレンジトレーディングが多いとみられ、76.70円付近からは売り注文が

出ているという。

 結果的に、ドル/円は狭いレンジ取引になった。このところ、こうした相場のこう着が

続いているため、市場では個人の興味が他の通貨にシフトし始めたとの指摘が聞かれる。

「ユーロペッグを打ち出したスイスフランの取引が増え始めている」(セントラル短資F

X営業本部、武田明久氏)という。

 欧米株安による海外市場からのリスク回避地合いを受けて、ユーロには朝方まで売り圧

力がかかり、対ドルで1.3520ドルまで、対円では103.31円まで下落した。し

かし、その後グローベックス市場の米株価指数先物や米原油先物が切り返し、リス

ク回避ムードが和らぐとユーロは買い戻され、1.3637ドル、104.37円まで値

を戻した。

 きょうはドイツ議会のEFSF拡充に関する採決が予定されている。与野党とも基本的

には賛成しているため、法案可決は確実視されており「可決されてもユーロの上値には限

度がある」(国内金融機関)という。

 市場の注目は、連立与党だけで過半数の賛成票を確保できるかに集っている。これがメ

ルケル首相の求心力の試金石とみられているためで、賛成票が確保できなければ、今後は

ギリシャ支援に対するドイツの慎重姿勢が強まる可能性があるという。

 南アフリカランド/円などクロス円は、このところの下落によるロスカットが一服して

おり、個人の買い注文が再び活発化しているという。とりわけ豪ドル/円は「下げ方がラ

ンド/円ほど急激でなかったことから、ロスカットもそれほどはでていない。今は値動き

が落ち着いたため、押し目買いの注文が並んでいる」(武田氏)という。

 <ヘッジファンド運用の収縮で、市場がボラタイルになる可能性>

 世界最大の上場ヘッジファンド会社の英マン・グループは28日、7─9月の

資金流出がネットで26億ドルに達し、2009年初め以来の高水準となったと明らかに

した。これに先立って、9月15日には米ゴールドマン・サックスが、主力ヘッジ

ファンドの1つであるグローバル・アルファ・ファンドを閉鎖すると明らかにしており、

10─12月期に向けてヘッジファンドの運用資金の収縮が懸念されている。

 ステート・ストリート銀行金融市場部長、富田公彦氏は「リスク回避というより、リス

ク忌避と言いたいぐらい、参加者はリスクを取ることに後ろ向きになっている。今後は顧

客がヘッジファンドでの運用に慎重になることで運用資産が縮小し、市場の流動性が下が

る可能性がある。値動きはボラタイルになりそうだ。ただ、値動きの方向については上も

下もあり得る」とみている。

 一方、ヘッジファンドにはレバレッジ面でも逆風が吹いている。欧州の銀行を中心に資

産圧縮の動きが出ているためで、富田氏は、ヘッジファンドへのレバレッジ供給が細る可

能性があるとみている。ただ、「ヘッジファンドの多くはロングショートなどマーケット

に対して中立に近い戦略をとっており、レバレッジが下がってもマーケットへの影響は限

定的。大きくバイアスをかけたポジションを取るグローバルマクロがポジションを手仕舞

うと影響が出てくるが、全体からみればグローバルマクロの運用資産はそう多くない」と

いう。

 富田氏が懸念しているのはむしろ融資の減少で、「欧州の銀行の中核事業は、中南米向

けも含めた融資。資産圧縮で事業会社などへの融資をつけられなくなると、実体景気を圧

迫することで市場に影響が及ぶ」という。

 <月内介入観測後退し、輸出企業は見切り売り>

 現在の市場の介入観測には2種類ある。ドル/円が急落した場合のスムージングオペ観

測はこれまでも長く市場にくすぶってきたが、このところ話題になったのは、ドル/円の

下落でドルを売り遅れている輸出企業に売り場を提供するため、月内に介入が入るのでは

ないかとの観測だ。しかし、9月末が近づき、こうした観測が後退してきている。

 「9月末までは、きょう、あすしかない。売りは仲値に多く集まることから、介入する

なら仲値を狙わないと効果が薄いが、きょうはもう仲値を通過した。あすの仲値ではあま

りにもぎりぎり過ぎる。76円半ばという中途半端な水準では、月内介入は難しそうだ」

(国内金融機関)との声が出ている。

 このため、輸出企業の間では見切り売りが広がっているという。「介入を待っていた自

動車メーカーなどが、しびれをきらして今週初めからドルを売り始め、これを見た家電メ

ーカーも追随している」(FX会社)という。

 

 (ロイターニュース 松平陽子)

※( ロイターメッセージング:yoko.matsudaira.reuters.com@reuters.net 

E-mail:yoko.matsudaira@thomsonreuters.com; 03-6441-1795)

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