Maria Martinez
[ベルリン 29日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が29日発表した11月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比2.3%上昇した。伸びは前月の3.0%から鈍化し、2021年6月以来の低水準。エネルギー価格の下落が寄与した。市場予想は2.6%上昇だった。
エネルギー価格は4.5%下落。2022年11月のエネルギー価格が非常に高く、いわゆるベース効果によってインフレ率を抑制した。
食品価格は5.5%上昇。前月の6.1%上昇から伸びが鈍化した。
変動が激しい食品とエネルギーなどを除いたコアインフレ率は前月の4.3%から3.8%に低下した。
IFOの予測部門責任者、ティモ・ウォルマーシャイザー氏は、ドイツ政府が2022年12月に高騰するエネルギー価格対策として一時金を支給し、CPIのガス価格が大幅に下落したため、ベース効果によって12月の総合インフレ率は一時的に4%前後まで再び上昇する可能性が高いと指摘。「しかし、インフレ率は早ければ来年初には3%を下回る」と述べた。
コメルツバンクのシニアエコノミスト、ラルフ・ソルビン氏は、長期的には、企業が賃金コストの上昇をどの程度消費者に転嫁できるかが決定的な要因となると言及。「この効果により、来年はコアインフレ率が欧州中央銀行(ECB)の目標値を大きく上回って安定的に推移するとみている」とした。