[ニューヨーク 24日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、主要通貨に対するドル指数が約1カ月ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が、中銀預金金利を9月末までに少なくとも50ベーシスポイント(bp)引き上げる可能性を示唆したことを受け、ユーロが上昇した。
ラガルド総裁は24日、中銀預金金利が「第3・四半期末にはプラス圏に移行する可能性が非常に高い」と明言した。
終盤の取引で、ユーロは0.42%高の1.07355ドル。
マネックスUSAのディーリング・トレーディング部門バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「ECBが引き締めサイクルで、米連邦準備理事会(FRB)に追いつこうとしする動きが確認されれば、金融政策差によるドルへの恩恵は縮小する。そのため、ユーロは数年ぶりの安値から回復している」と述べた。
BDスイスの投資リサーチ責任者マーシャル・ギトラー氏も、米国ではFRBの引き締めの大半がすでに織り込まれている可能性が高いため、ユーロ/ドルが今後数営業日、一段高となる可能性があると予想した。
FRBが25日に公表する5月3─4日のFOMC議事要旨が注目される。
ドル指数は0.372%安の101.76と、4月26日以来の安値となった。米S&Pグローバルが発表した5月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が4カ月ぶりの低水準となったことを受け、ドル売りは加速した。
ポンド/ドルは0.48%安の1.2525ドル。S&Pグローバル/CIPSの5月の英PMI速報値は昨年2月以来の低水準となった。インフレが進行する中、景気後退懸念が台頭している。
リスクに敏感な豪ドルは0.2%安の0.70965米ドル。ニュージーランドドルも0.39%安の0.64425米ドル。ロイター調査によると、ニュージーランド準備銀行(中銀)は25日の会合で、50ベーシスポイント(bp)の追加利上げに動くという予想が優勢となっている。