■株式相場見通し
予想レンジ:上限17000-下限16500円
来週は10月以降を意識した、TOPIX型への資金流入を想定した需給相場になろう。
今回の決定会合で市場のインパクトにつながったのは、ETFの銘柄別の買入限度の見直しであった。
年間買入額5.7兆円のうち、2.7兆円については、TOPIXに連動するETFを対象に、銘柄毎の時価総額に概ね比例するように買入れるとした(実施は10月から)。
これにより、時価総額の大きい銀行等への物色が強まったとみられる。
23日の騰落をみると、東証1部の値上がり数は6割を超えていたが、日経平均構成銘柄については、値下がり数が過半数を占めていた。
銀行株は週末こそ利益確定に押されていたが、10月以降はTOPIX型への資金流入が意識されることになろう。
物色については、26日に臨時国会が召集されるなか、政策期待が高まる可能性がある。
安倍首相は「アベノミクス加速国会」と位置づけ、政府・与党は成長戦略の要となる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)承認案・関連法案の成立を最優先とする。
もっとも、米大統領選民主党候補のヒラリー・クリントン氏との会談ではクリントン氏は反対の立場を示したとみられており、市場の期待は依然程高くないであろう。
一方で、先週末は「統合型リゾート(IR)整備推進法案」(カジノ法案)の関連銘柄が人気化している。
カジノについては、築地移転問題が焦点となる都議会が9月28日に開幕することから、問題が発覚した豊洲市場を改修してカジノを造れるか検討するとの思惑。
また、大阪府が誘致を目指す2025年の万博については、府と大阪市は湾岸部の人工島「夢洲」に会場を集約させる方針を正式に決定。
夢洲にカジノを含む統合型リゾートの誘致も目指している。
24日からソニーの「PS VR」の予約が再開された。
ゲームショウ2016においてVRゲームは話題性から関心が高まっていたこともあり、VR関連への物色が再燃することになりそうだ。
また、「ポケモンGO」については、「ポケモンGOプラス」の即日完売、最近ではジムバトル以外の対戦コンテンツの計画が伝えられており、関連銘柄については、利食いをこなしながら息の長い相場になろう。
その他、ノーベル賞の自然科学3賞の受賞者が10月3日から順次、発表される。
京都大学の森和俊教授はノーベル賞の登竜門といわれる米国のラスカー賞を2014年に受賞しているほか、昨年ガードナー賞を受賞した大阪大学の坂口志文特別教授、京都大学の本庶佑名誉教授、熊本大学の満屋裕明教授、東京農工大学の遠藤章特別栄誉教授など、生理学・医学賞では免疫分野に強い日本人の候補者が多い。
日本人研究者の3年連続の受賞への期待が高まるなか、受賞候補者に関連するバイオ銘柄への物色が強まりやすいだろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は、もみあいか。
日本銀行は2%の物価目標達成に向けて、従来の金融緩和の枠組みを変更し、国債買い入れを通じて市場に大量の資金を流すことやマイナス金利の枠組みは維持しつつ、今後は長期金利をより重視することになった。
一方、米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、予想通り利上げを見送ったものの、FOMCの経済予測で政策金利見通しは下方修正された。
米利上げペース鈍化の思惑が広がっており、ドルの先安観はやや強まる可能性がある。
■来週の注目スケジュール
9月26日(月):臨時国会召集、独IFO景況感指数、米新築住宅販売件数など
9月27日(火):企業向けサービス価格指数、中工業利益、米消費者信頼感指数など
9月28日(水):OPEC非公式会合開催、米耐久財受注、イエレンFRB議長証言など
9月29日(木):商業動態統計、米4-6月GDP確定値、米消費者信頼感指数など
9月10日(金):消費者物価コア指数、鉱工業生産指数、中財新製造業PMIなど
10月 1日(土):中製造業PMI、中非製造業PMIなど