[東京 29日 ロイター] - 今週の東京株式市場は停滞ムードが広がりそうだ。為替や原油価格などが落ち着き、過度なリスク回避はいったん後退しているが、投資家は半身の構えを崩していない。予定されている米中の経済指標で世界経済の減速懸念が和らげば戻りを試す公算は大きいものの、戻り待ちの売りなどが上値を押さえるとみられている。
日経平均の予想レンジは1万5600円─1万6600円。
ドル/円 JPY=EBS は24日の111円割れ寸前から一時113円台へと回復。米原油先物 CLc1 も2月11日の安値26ドルから切り返し、足元では32─33ドル程度で推移している。リスクオフの嵐がいったん過ぎ去り、今は小康状態だ。
もっとも「再び円高や原油安に振れれば、日本株は下値を試しかねない」(国内証券)と市場の警戒感はくすぶっており、上値を買い上がろうとする投資家は見当たらない。国内に手掛かり材料が乏しく、売買代金が細っていることも上値を追いにくくさせている要因だ。
そのなか、2月29日─3月4日の週は2月中国製造業PMIや2月ISM米製造業景気指数、2月米雇用統計など重要経済指標の発表が相次ぐ。米中の経済減速懸念が年初からのリスクオフの一因となっていただけに、堅調な内容となれば日本株が戻りを試す公算も大きい。
ただ「日経平均1万6000円から1万6500円に出来高が積み上がっており、戻り待ちの売りが強い」(ニッセイ基礎研究所・チーフ株式ストラテジストの井出真吾氏)という。売り方の買い戻しが主体とされるなかでは、同価格帯を突破するのは難しいとの声が多い。
一方で下値の堅さも広がりつつある。直近では国内年金の買い観測が根強いほか、「企業の自社株買い余地も相当程度残っており、日本株の下支えに寄与する」(大手証券)という。日経平均1万6000円割れの水準では押し目買いも入りやすく、底堅さは続くとみられている。
(株式マーケットチーム)