日経平均<.N225> 日経平均先物9月限<0#2JNI:>
終値 9038.74 (+94.26) 終値 9020 (+20)
寄り付き 9110.81 寄り付き 9150
安値/高値 9021.36─9144.33 安値/高値 9010─9160
東証出来高(万株) 225891 出来高(単位) 73694
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[東京 10日 ロイター] 東京株式市場で日経平均は4日ぶりに反発した。米連邦
準備理事会(FRB)が9日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明を受けて米株
市場が急反発した流れを引き継ぎ、東京市場も堅調地合いとなった。幅広い銘柄に買い戻
しが入り、日経平均は一時9100円台を回復。米系投資家による売りが出た一方で、国
内リアルマネーやアジアによる買いが見られた。ただ、米景気見通しをめぐる不透明感や
欧州財政問題、円高警戒感を背景に株価の上値は重かった。
東証1部騰落数は値上がり1291銘柄に対し値下がり302銘柄、変わらずが73銘
柄。東証1部の売買代金は1兆5061億円。
FRBは9日発表したFOMC声明で、ぜい弱な景気や金融市場支援に向け、フェデラ
ルファンド(FF)金利の誘導目標を今後少なくとも2年間はゼロ付近に維持する方針を
表明した。これを受け、米国債格下げで打撃を受けていた米株市場は終盤に切り返し、急
反発。ダウ工業株30種<.DJI>は400ドル超上昇した。10日の東京市場もこの流れを
受け、買いが先行。主力株中心に幅広い銘柄が買い戻され、日経平均は一時9100円台
を回復した。
騰落レシオ(25日)が70%以下となり、テクニカルで売られ過ぎのシグナルが出て
いることで、自律反発ムードが強まったという。市場では「買い戻しに加え、個人の押し
目買いなどが入っている。FRBが金融緩和の継続を示したことが好感されている」(大
手証券エクイティ部)との声が出ていた。ただ、前場序盤の買い一巡後は伸び悩んだ。自
律反発の域を出ず、「米景気見通しへの不透明感や欧州財政問題などが上値の重しになっ
ている。引き続き円高が警戒されることもマイナス要因」(東洋証券・情報部長の大塚竜
太氏)という。
きょうの取引では、前場から米系投資家による売りが出る半面、生保などの機関投資家
のほか、中国系などアジア勢が主力株に買いを入れているという。輸出関連ではなく内需
関連に関心を持っており、今後は継続的に買いを入れる可能性があると、ある株式トレー
ダーは指摘する。ただ、後場も戻りの鈍い値動きだった。コスモ証券・投資情報部副部長
の清水三津雄氏は「外為市場で円がじり高傾向にあり、日本株の上値を抑えている。米株
の二番底も懸念され、完全に底入れしたとは言いづらい。現時点では自律反発にすぎず、
下値不安はくすぶる」と指摘した。
日経平均の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)にもそうした動きが反映され
ている。日経225オプション<0#JNI*.OS>のストライク価格9000円のプット8月限
は足元で42%台に低下したが、引けにかけて45%に上昇した。国内証券の株式トレー
ダーは「下値のプットはやや売られているが、コールが買われる地合いではなく下値不安
は消えていない」と述べている。
FOMCを受け、今後も円高基調が続くとの見通しが強まったことから、業種別では電
気・ガスや空運、食品、鉱業などの上昇が目立った。個別銘柄では東京電力<9501.T>や
全日本空輸<9202.T>、エービーシー・マート<2670.T>、住石ホールディングス<1514.T>、
ニトリホールディングス<9843.T>などが買われた。一方、ソニー<6758.T>は4日続落。
ロンドン北部エンフィールドにある倉庫が暴動で火災が発生し、国内の光ディスク配送に
支障が出る可能性があるとして嫌気売りが出た。
(ロイターニュース 吉池 威)