[ワシントン 11日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は11日、連邦準備理事会(FRB)は利下げを検討するにあたり慎重に対処する必要があるとし、消費動向が鍵を握るとの見方を示した。
ローゼングレン総裁はウィスコンシン大学マディソン校で行った講演で「米消費はこれまで底堅く推移してきたが、今後も底堅さが継続するかは保証されていない」とし、「政策担当者は慎重に対応し、入手されるデータを評価した上で追加措置を決定する必要がある」と指摘。トランプ米政権が進める貿易戦争のほか、世界経済の減速の影響を消費支出が今後も相殺し続けることができるかが焦点となるとの考えを示した。
その上で、通商問題などに起因する向かい風にもかかわらず米国の第2・四半期の経済成長率は推計される長期的なトレンドを上回っていたとし、多くのエコノミストは米経済成長率は潜在力近辺で推移するとの見方を変えていないと指摘。「自分自身の経済見通しに基づくと、追加利下げは必要ない」とした。
リスクが顕在化し経済成長が潜在力を下回る水準に顕著に減速した場合、積極的な利下げを支持する用意はあるとしながらも、米経済は関税の引き上げや輸出減のほか、企業投資の減退などにもかかわらず自身の予想どおりに推移しているとし、FRBが今年これまでに実施した2回の利下げは「向こう数四半期にわたり景気刺激となる公算が大きい」と述べた。
FRBは7月と9月にそれぞれ25ベーシスポイント(bp)の利下げを決定。市場ではFRBは今月末の連邦公開市場委員会(FOMC)でも25bpの追加利下げを決定するとの見方が出ている。
ローゼングレン総裁は7月と9月の利下げの双方に反対票を投じた。