[ソウル 16日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は16日、政策金利を1.50%から1.25%に引き下げた。金融政策委員会での表決は5対2だった。利下げは大方の予想通り。
中銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は記者会見で「変化している金融・経済環境に対応する余地がわれわれには依然としてある」と指摘。世界経済には一定の期待があるものの、不確実性は高まったままだと付け加えた。
総裁はまた、韓国の今年の経済成長率が中銀の最新の見通しである2.2%に届かない見込みだと指摘。11月に発表する見通しで修正するとした。
7月の金融緩和に続く利下げ決定で、31人のアナリストを対象にしたロイター調査の予想と一致した。
過去3カ月で2度目の利下げとなる。
アナリストは記者会見での総裁コメントについて、追加利下げが検討されているとの見方を裏付けるものだと指摘。景気上向きの着実な兆候がなければ、2020年序盤に追加利下げする可能性が最も高いとみている。
ただ、反対が2票あったことはサプライズとアナリストは指摘。DBフィナンシャル・インベストメントの債券アナリスト、Park Sung-woo氏は「反対は1人と予想していた。今回の結果は経済指標のさらなる悪化を確認するまで中銀が様子見姿勢をとる可能性を示している」と述べた。
世界的な需要低迷や長引く米中貿易戦争の影響で半導体や自動車などの輸出が落ち込み、韓国の経済成長は過去数四半期減速している。
中銀は2019年の成長率を2.2%と予想しているが、大手投資銀行は軒並み成長率予想を引き下げており、最低で1.6%との予想もある。2018年の成長率は2.7%だった。
国際通貨基金(IMF)は15日、韓国の19年と20年の成長率予想をそれぞれ0.6%ポイント引き下げ、19年は2.0%、20年は2.2%になるとの見通しを示した。
中銀データによると、19年上期の成長率は1.9%で、18年下期の2.5%、18年上期の2.8%から大きく鈍化した。
韓国統計局が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年比で0.4%低下し、1965年の統計開始以来初めてインフレ率がマイナスとなった。[nL3N26M02M]
また、中銀が朝方発表した9月の輸入価格は前年比で4カ月連続の低下を記録。2016年終盤以降で最も長い期間低下が続いている。
中銀の次回金融政策決定会合は11月29日で、今年最後の会合となる。
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