(ブルームバーグ): イタリアで新型コロナウイルスの感染者数が300人を突破した。ミラノを擁し、イタリア経済活動の中心地である北部ロンバルディア州での感染拡大に伴う影響は、地元の経営者が憂慮するほど鮮明になりつつある。
ロンバルディア州とベネチアを中心とするベネト州の感染者が最も多く、これらの地域一帯は実質的な封鎖状態に置かれた。ミラノ・ファッションウイークの終盤行事を含め、イベントや会議のキャンセルも相次いでいる。
経済活動への各種の制限は、イタリアの国内総生産(GDP)の約3分の1を両州が占めるだけに経済の苦境をさらに深刻化させる恐れがある。
2019年末に景気の著しい縮小に見舞われたイタリアは、新型ウイルスによる経済の混乱が始まる前に既にリセッション(景気後退)に向かいつつあった。
イタリア商業連盟によると、新型肺炎の危機が2、3カ月より長引けば、成長率が最大0.4ポイント押し下げられる事態もあり得る。財政逼迫(ひっぱく)と連立政権内の対立という状況下で、コンテ首相が取り得る景気刺激策はごくわずかだ。
アリアンツ・グローバル・インベスターズのアナリスト、マッシミリアノ・マキシア氏は「なお先行きが極めて見通せない影響によって、わが国の生産・商業活動の多くが停止している。GDPに最も貢献するこれらの地域が影響を受けているという事実が、このシナリオに一層悪影響を及ぼすのは明白だ」と指摘した。
原題:Virus Piles More Woes on Business in Italy’s Economic Heartland(抜粋)
--取材協力:Marco Bertacche、John Follain、Chiara Remondini.
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