[8日 ロイター] - <為替> ドルが下落し、資源国通貨が上昇。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた景気の回復を巡り楽観的な見方が広がる中、リスク選好の動きが強まった。
終盤の取引で、ドル指数 (=USD)は0.1%低下の96.641。
ドルは安全資産とされる円に対して1.1%下落し、108.33円
オーストラリアドル、NZドル、カナダドルなどの資源国通貨は軒並み上昇した。
NZドル/米ドルは0.8%高の0.6560米ドル。一時4カ月ぶり高値を付ける場面もあった。ニュージーランドのアーダーン首相が新型コロナ感染防止のため導入した措置について、入国規制以外全てを解除すると発表したことが材料視された。[nL4N2DL14N]
豪ドル/米ドル
ユーロ/ドル (EUR=EBS)は0.2%高の1.1303ドル。
4月のドイツ鉱工業生産指数が前月比17.9%低下と、統計開始以来最大の低下となったものの、さほど材料視されなかった。[nL4N2DL1TQ] しかし、英の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)など、新型コロナ流行前の未解決の問題が再び注目されるようになれば、ユーロの上昇は失速する可能性があるとの指摘も。
9─10日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の行方が注目される。
<債券> 前週に大きく上昇した国債利回りがやや低下した。
終盤の取引で10年債 (US10YT=RR)利回りは2.6ベーシスポイント(bp)低下の0.8785%。5日には5月の雇用統計が予想外に好調だったことで、3月20日以来初めて0.9%台に乗せていた。[nL4N2DI3HB]
財務省はこの日、440億ドルの3年債入札を実施。応札倍率は2.55倍と、平均より高かった。 [nAQN02N9WN] 今週は9日に290億ドルの10年債入札、11日に190億ドルの30年債入札が実施される。
2年債と10年債の利回り格差
<株式> 続伸し、ナスダック総合は終値で過去最高値を更新。相場は新型コロナウイルス流行の打撃を受けた景気の早期回復を巡る期待を追い風に3月23日に付けた安値から戻し、強気相場入りしたことが示された。
ダウ工業株30種とS&P総合500種も急伸。S&P500は年初来でプラスに転じた。ハイテク株と通信株がナスダックの上昇をけん引。
5日に発表された5月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数が一転増加に転じ、失業率も予想外に改善したことを受け、新型コロナ発生による経済的損失の最悪期は過ぎたとの見方が広がった。[nL4N2DI3HB]
米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナ対策の一環として導入した中小企業向けの「メインストリート融資制度(MSLP)」の条件を緩和すると発表したことも支援材料となり、米国株は引けにかけて上げ幅を広げた。
S&P主要11セクターでは、エネルギー株 (SPNY)が4.3%高と上昇トップ。石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が6日の会合で、現行水準の協調減産を7月末まで延長することで合意した。[nL4N2DK004]
売り込まれていた米クルーズ大手カーニバル (N:CCL)やノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス (N:NCLH)も戻りが継続。S&P1500航空株<.SPCOMAIR>は9.9%高となった。
<金先物> 予想以上に堅調な内容だった米雇用統計を受けて前週末5日に急反落した反動で、 反発。中心限月8月物の清算値は前週末比22.10ドル(1.31%)高の1オンス=1705.10ドルと、1700ドル台を回復した。
<米原油先物> サウジアラビアなどが自主的な追加減産を打ち切ることなどを嫌気し、米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値は前週末比1.36ドル(3.44%)安の1バレル=38.19ドルとなった。8月物は1.37ドル安の38.43ドルだった。
OPECプラスは6日の会合で、大規模減産を7月末まで延長することで合意。[nL4N2DK004]原油先物WTI7月物は、電子取引で一時約40ドルまで上昇した。
なお、サウジアラビアは、自主的に実施していた追加減産を延長しない考えを表明。[nL4N2DL2KL]クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)も同様の対応をすることを明らかにした。
また、米国では、原油価格の上昇を受け、一部のシェール掘削企業が、生産を回復させる計画を示している。米メディアによると、リビアでは生産再開の動きもある。
ドル/円 NY終値 108.42/108.44
始値 109.37
高値 109.46
安値 108.25
ユーロ/ドル NY終値 1.1292/1.1296
始値 1.1269 (EUR=)
高値 1.1318
安値 1.1269
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 90*23.50 1.6431% (US30YT=RR)
前営業日終値 89*30.50 1.6780%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*19.00 0.8785% (US10YT=RR)
前営業日終値 97*11.00 0.9050%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*00.50 0.4503% (US5YT=RR)
前営業日終値 98*28.25 0.4770%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.38 0.2301% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*26.25 0.2160%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 27572.44 +461.46 +1.70 (DJI)
前営業日終値 27110.98
ナスダック総合 9924.75 +110.66 +1.13 (IXIC)
前営業日終値 9814.08
S&P総合500種 3232.39 +38.46 +1.20 (SPX)
前営業日終値 3193.93
COMEX金 8月限 1705.1 +22.1
前営業日終値 1683.0
COMEX銀 7月限 1789.3 +41.4
前営業日終値 1747.9
北海ブレント 8月限 40.80 ‐1.50 (LCOc1)<0#LCO:>
前営業日終値 42.30
米WTI先物 7月限 38.19 ‐1.36 (CLc1)<0#CL:>
前営業日終値 39.55
CRB商品指数 137.5026 ‐1.4737 (TRCCRB)
前営業日終値 138.9763 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200608T221323+0000