[13日 ロイター] - イタリアのドラギ首相(73)は、首相として受け取る権利のある約11万ユーロ(約1400万円)の給与を辞退すると発表した。理由は明らかにしていないが、ドラギ氏は少なくとも2つの公的年金を受給し、約10件の不動産を所有、もしくは部分的にしている。
イタリアの政治家は納税申告書の開示が義務付けられているが、ドラギ氏は開示の際に給与受け取りを辞退すると表明した。
12日に公表されたドラギ氏の2020年度納税申告書によると、19年の総収入は58万3470ユーロだった。その内の49万8144ユーロは、財務省およびイタリア中央銀行の公的年金だという。
ドラギ氏は54歳で財務省を退職し、ゴールドマン・サックスのロンドンの幹部職に就いた。イタリア中銀を退職したのは64歳の時だった。
国内メディアは、ドラギ氏が59歳から毎月約1万5000ユーロの財務省の年金を受け取っていると報じている。
同氏の広報担当者はこれをすぐに確認することはできないとしている。
メルカトルム大学の政治コミュニケーション専門家のMassimiliano Panarari氏は、ドラギ氏の給与辞退について、不況の打撃を受けているイタリア国民との連帯感を示す意図があったかもしれないが、大衆迎合主義的なジェスチャーと受け止められる可能性もあるとし、もっと詳しく説明すべきだったとコメントした。