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米輸入物価、5月は1.1%上昇へ加速 前年比で約10年ぶり伸び率

発行済 2021-06-17 00:23
更新済 2021-06-17 01:54

[ワシントン 16日 ロイター] - 米労働省が16日発表した5月の輸入物価は前月比1.1%上昇し、市場予想の0.8%を上回る伸びとなった。石油製品の値上がりや供給網の混乱によるモノの値上がりを反映した。経済活動再開に伴い物価上昇圧力が高まっていることを示す新たな兆しとなった。

4月は0.8%上昇だった。

5月は7カ月連続の値上がりとなり、前年同月比で11.3%上昇と2011年9月以来の大幅な伸びを記録した。4月は10.8%上昇だった。前年同月比の加速の一因は、昨年春の物価が軟調でベース効果が働いたためだ。

5月は卸売物価指数(PPI)や消費者物価指数(CPI)が力強く伸びた。新型コロナウイルスワクチンと政府による数兆ドル規模の景気刺激策、過去最低水準の金利を背景に需要が好調で、企業は原材料と労働力の確保に奔走している。ただ供給網は順応するとみられ、物価の急上昇は一時的な現象と捉えられている。

5月は燃料が前月比4.0%上昇。4月は1.6%上昇していた。石油は5月に3.8%上昇。一方、食品は0.4%下落した。燃油と食品を除いたコア輸入物価は1.0%上昇。4月は0.7%上昇していた。

輸出物価は前月比2.2%上昇。4月は1.1%上昇していた。農産物が6.1%上昇と、10年11月以来の大幅な伸びだった。非農産品の輸出物価は1.7%上昇。産業用資材や原料、消費財が押し上げ要因だった。

輸出物価は前年同月比で17.4%上昇し、統計を開始した1983年9月以来の大幅な伸びを記録。4月は14.9%上昇していた。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「米国ではコストプッシュ型のインフレが発生しているが、過去を見る限り、需要プッシュ型のインフレなどよりも一過性であることが証明されている」と述べた。

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