[東京 29日 ロイター] - 菅義偉首相は29日に首相官邸で開かれた新型コロナ関係閣僚会議の終了後、記者団に対して、首都圏3県や大阪府、北海道などを念頭に、自治体から要請の出ている緊急事態宣言の発令やまん延防止等重点措置の適用について、明日決定すると述べた。
東京などの新規感染者数が過去最高を更新したことに対しては強い危機感を持っていると強調した。
NHKは29日夜、緊急事態宣言について、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を追加する方針を固め、与党側に伝えた、と報じた。
期間は8月2日から31日までとし、これにあわせて、東京と沖縄の宣言の期限も延長する方針、としている。
<五輪はテレビで、人流抑制に協力求める>
29日は東京都の新規感染者数が3865人と3日連続で過去最高となり、全国の新規感染者数も初めて1万人を超えた。菅首相は「強い危機感を持って対応している」と述べた。
五輪開催が感染に対する人々の警戒感を緩ませているとの批判については「色々な意見があるのは承知している」と述べた。一方、企業の在宅ワーク拡充や都内の自動車規制などの効果で「人流は減少している」と指摘し、更なる人流抑制のため「五輪を自宅でテレビで見ることによって協力して欲しい」と述べた。
<ぶら下がり会見、毎日開くものでない>
東京都の新規感染者数が3000人を初めて突破した28日、報道各社が求めたぶら下がり形式の記者会見に応じなかった理由について首相は、「ぶら下がり会見は毎日行うものではなく、一定の方向性を示すものでは」と反論。新たな方針が決まる際などに開きたいとの意向を示した。
高齢者のワクチン接種拡大により、新規感染者に占める65歳以上の割合が低下していると強調。その首相の発言が警戒感の緩みを促しているとの見方に対しては、これまで感染者の多かった年齢層で減少しているのは事実と反論した。