[23日 ロイター] - シンクタンクのベター・マーケッツは23日、来年2月に任期満了を迎えるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の実績に対する評価を発表した。銀行規制を巡り「非常に悪い」としたほか、気候関連リスクへの対応は「不可解なほど遅い」と強調した。
一方で、トランプ前大統領がFRBの独立性を脅かした際のパウエル氏の対応については「模範的」と称賛。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に対する迅速かつ積極的な対応や労働市場の活性化に向けた新たな措置の効果も取り上げた。
進歩派からはパウエル氏の下で銀行規制が不当に緩和されたとの見方を背景にFRB議長の交代を求める声が出ているほか、FRBは他の中銀に比べて気候変動に対してさほど積極的ではないとしており、ベター・マーケッツのデニス・ケレハー氏もそのような考えに賛同。
ただ、株式などの資産価値の上昇によって富の不平等が悪化したとの見方については、ケレハー氏は明確に批判せず、パウエル氏率いるFRBが最大雇用を達成するまで金融引き締めを行わないと明言したことは、長期的に貧富の差の解消につながると指摘した。