[ニューヨーク 22日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は22日、ブラジル経済について「当局の強力な政策対応を一因に」予想以上に好調に推移しているとの見解を示した。2021年の成長率予想は7月の予想の5.3%を維持した。
IMFは4条協議と呼ばれる加盟国と毎年行う協議の報告で「見通しを取り巻く不確実性は格別に高いものの、成長のリスクは概ね均衡している」と述べた。
ただし成長の加速や社会経済の包摂という以前からの課題は新型コロナウイルスのパンデミックによって、より厳しくなったと指摘。
「労働市場は生産の回復に出遅れ、失業率は若年層や女性、黒人層を中心に高い」と述べた。
ブラジルは市場の信頼を高め、中期見通しを改善させるために一段の政策努力が必要とし、公的労働市場の弾力性向上、ガバナンスの改善、汚職対策の枠組み強化といった面の政策が必要と指摘した。
「民間セクターの投資環境をさらに改善する措置も必要」と述べた。
IMF理事会はインフレ期待の抑制に向けたブラジル中銀のタカ派な金融政策を支持。IMFによると、中銀は インフレ率が今年記録した高水準から一貫して低下し来年末までに中銀の目標レンジの中央値(3.5%)に到達すると予想したという。