[ニューデリー 12日] - インド統計省が12日発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.35%上昇となった。上昇率は8月の5.3%から鈍化し、5カ月ぶりの低水準だった。市場予想の4.5%を下回った。
企業や政策担当者の間で世界的なエネルギー価格高騰に対する懸念が高まる中、食品価格の軟化と個人需要の低迷が上昇率の鈍化につながった。
1年前の2020年9月は前年同月比7.3%上昇していた。
CPIの半分近くを占める食品価格は今年8月に前年同月比3.11%上昇。これに対し、9月は0.68%上昇だった。
しかし、このところ原油価格が1バレル=83ドル近くまで急騰していることは、政策立案者や消費者にとって懸念材料。インドは石油需要の80%超を輸入で賄っている。
インド準備銀行(RBI、中央銀行)は8日の金融政策委員会で政策金利のレポレートを4%に据え置いた一方、インフレ抑制のためにガソリンとディーゼルエンジン用燃料の減税を検討するよう政府に要請した。
原油価格の上昇によって9月の燃料価格は前年同月比13.63%上がり、上昇率は8月の12.95%を超えた。衣類・靴は7.16%上がった。
3人のエコノミストの推計によると、9月の食品と燃料を除くコアインフレ率は5.75%─5.8%となり、前月と同水準だった。
金融都市ムンバイの3000社超が加盟しているボンベイ商工会議所のアンジャリ・バンサル会頭は「企業は燃料費高騰の一部しか転嫁できていないが、インフレ傾向にあることを懸念している」と述べた。