[14日 ロイター] - 米リッチモンド地区連銀のバーキン総裁は14日、米連邦準備理事会(FRB)はテーパリング(量的緩和の縮小)を「円滑に」開始するための道筋を確保したが、利上げが適切かどうかを判断するにはまだ時間がかかるとの認識を示した。
講演で、足元のインフレ水準が持続されるかどうかや最大雇用を達成するまでに労働市場にどれだけの雇用が必要なのかなどについて多くの情報が必要だとした上で、「新型コロナウイルスの感染が期待通りに緩和すれば、これらの質問に対する答えが明確になる」と述べた。
前日に公表された9月21─22日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、11月2─3日の次回会合でテーパリング着手が決定されれば、11月半ば、もしくは12月半ばに実際に縮小を開始できるとの認識が示された。
バーキン氏は、この議事要旨で示された認識がFRBがテーパリングを開始する前に提示すると約束していた「事前の」警告になったとした。
また、FRBは政策当局者の個々人の金利予測やその根拠となる経済的前提を明らかにしていないが、バーキン氏はそのような情報の公開を望むとし、各当局者の見通しを示すことでFRB全体の見通しが一段と明確になるとした。
また、FRBによるテーパリング着手で経済成長が損なわれることはなく、むしろインフレ期待に対する「前向きな」動きになると指摘。「米経済が繁栄するためにこれだけの規模の緩和措置が必要にならないことを望む」と述べた。
このほか、インフレ高進は金融政策ではなく、供給網の問題で引き起こされているとの考えを示した。