[ロンドン 1日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は新興国市場で国債再編がより重要な役割を果たすようになるとみられるが、政府は自国の銀行や投資家への影響を緩和する必要があるとの見解を明らかにした。
金融資本市場局のピーター・ブロウアー債券資本市場課長らは1日に公表したブログで、途上国が国内市場で発行した債券の割合が過去20年間で31%から46%へ拡大したと指摘した。
国内法に基づき債務契約の条件を変更することで国内での債務再編はより簡単に行える可能性があるとし、国際資本市場にアクセスできなくなるといった事態も回避できるとの見方を示した。
しかし国内債務の多くは自国の債権者が保有しているため、ソブリン債危機は国内の銀行、年金基金、家計などに広がる恐れがあり、当局は事前に対策を講じて波及を最小限に抑える必要があると主張した。
債務削減よりも償還期限の延期や金利引き下げのほうが銀行への影響を抑えられる可能性があるとした。損失を早期に処理し、銀行の資本バッファーを回復する戦略と組み合わせることが有効となり得るとも指摘した。
また「パニックによる預金の引き出しや資本の流出」を抑制するための一時的な措置に加えて、流動性の低い資産を現金化するための緊急支援措置が必要になる可能性があるとした。