[上海 20日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は20日、企業や個人に適用する貸出金利の指標となる1年物の最優遇貸出金利(LPR)を2カ月連続で引き下げた。住宅ローン金利の目安とされる5年物も約2年ぶりに引き下げた。
1年物LPRは3.80%から3.70%に、5年物LPRは4.65%から4.60%に下げた。
5年物LPR引き下げは2020年4月以来だった。
ロイター調査では、43人の回答者全員が1年物LPRが2カ月連続で引き下げられると予想。40人は5年物LPRも引き下げられると見込んでいた。
人民銀は今週、景気減速に対応し、中期貸出制度(MLF)金利を市場の予想に反して引き下げていた。MLF金利は現在、LPRの指針として機能しており、市場参加者はLPRの動きはMLF金利に相関するとみている。
中国でのほとんどの新規・既存融資は1年物LPRに基づいており、5年物LPRは住宅ローン金利に影響を及ぼしている。
<追加緩和の余地>
MUFGのチーフ・ファイナンシャル・アナリスト、Marco Sun氏は、5年物LPRの引き下げについて「中国当局は融資金利の引き下げを目指している。このため、春節後は信用の伸びが加速し、マクロ経済への圧力が緩和するだろう」と指摘。
「政策の波及効果や3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で設定される成長目標次第で、今年上半期はまだ追加の金融緩和余地がある」と述べた。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、Sheana Yue氏は、上半期に1年物LPRがさらに20ベーシスポイント(bp)引き下げられるとの見方を示した。