[東京 27日 ロイター] - 東京ガスの佐藤裕史・最高財務責任者(CFO)は27日の決算会見で、ロシア極東の資源プロジェクト「サハリン2」からの液化天然ガス(LNG)調達について、代替調達は困難であり自発的に調達を見直すことは「あり得ない」との考えを示した。
東ガスが調達するLNGのうち、サハリン2からの分が占める割合は約1割。佐藤CFOは、世界的に「今LNGは取り合いの状況にあり、10%分の代替調達を見つけるのは難しい」と指摘。「安定供給を前提にすると、(サハリンからの調達)見直しはあり得ない」と述べた。
また、契約上、サハリンからのLNGを「受け取らなくても(支払いで)キャッシュは出ていく」とも説明した。
一方で、対ロ制裁の一環として政府主導でサハリンからの調達を減らす必要がある場合は「政府と一緒に協議することになる」と述べた。
現時点ではサハリン2からの調達に影響は出ておらず、保険などへの影響は「出るならばこれから」とみている。
欧州向けのLNG支援については、経済産業省から余剰があればとの条件で要請があったものの、余剰はないという。
2021年度連結決算によると、原料価格の高騰や値上げの影響により売上高は前期比21.5%増、営業利益は20.1%増、純利益は79.3%増となった。 原油価格上昇でLNGなど原料価格が6482億円と前期比42%膨らんだ。22年度は原料価格は7620億円に拡大する見通し。
22年度の想定為替レートは1ドル=120円、原油価格は1バレル=85ドル。通期でみれば今よりも相場が落ち着くとして、足元の水準より円高、原油安に見込んでいる。
同社の試算によると、ドル/円で1円の円安が進むと売上高で44億円増収、原料費用が52億円増加、営業利益は8億円の減益になるという。原油価格も1バレル当たり1ドルの上昇で37億円の増収、45億円の原料費用増、8億円の営業減益要因になるとしている。
(竹本能文 編集:田中志保)