[香港 3日 ロイター] - オフショア人民元が3日、対ドルで1年5カ月ぶり安値に下落し、1ドル=6.7元の節目に接近している。新型コロナウイルス感染対策のロックダウン(都市封鎖)が中国経済成長の見通しの重しとなり海外投資家は引き続き弱気姿勢を取っている。
オフショア元は午後早い時間に6.6979元に下げ2020年11月以来の安値を付けた。
本土市場は2日から4日まで休場。
みずほのアジア通貨チーフストラテジスト、張建泰氏は「オフショア元が6.7元を抜ければ、中国から何らかの政策対応や発言が出てくる可能性がある。オフショア市場で弱気ムードが高まるのを放置すれば、いずれ国内に波及することになるからだ」と指摘。オフショア元は主に、中国経済への海外投資家の懸念や、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えたドル高の影響を受けていると述べた。
元は先週末、中国共産党中央政治局の政策支援の方針に押し上げられた。今週の動きは、投資家がさらなる対応を期待していることを示唆する。
「海外投資家は中国政府への信頼をやや失っている。なぜならすでに一段の政策対応の方針を示しているのに中国経済への弱気な見方を転換させられないでいるからだ」と張氏は述べた。