[ウェリントン 4日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は4日発表した半期金融安定報告で、世界経済が重大な試練に直面する中、NZ金融システムは引き続き堅固との見解を示した。
報告は「世界的な(新型コロナウイルスの)パンデミックと(ウクライナ)戦争の組み合わせは大きな試練だが、NZの金融システムは耐性があると確信している」とし、銀行システムは十分な資金を有し、景気が悪化した場合でも融資を維持できる状態にあるとした。
NZ中銀は、住宅市場の過熱とインフレ高進に対応し、いち早く緩和政策の縮小に着手した。住宅ローン金利の上昇に伴い、住宅価格は下落に転じている。
報告は、住宅価格が依然として持続可能な水準を上回っており、さらに緩やかな調整が望ましいとする一方で、住宅価格の大幅な下落は、住宅の資産価値を著しく減少させ、個人消費の縮小につながる可能性もあると指摘した。最近住宅ローンを借りた人の中には困難に直面する人もいると述べた。
世界的なコモディティー(商品)価格の高騰、サプライチェーン(供給網)の問題、人手不足に加え、最近のコロナ感染を受けた支出抑制により、多くの企業が圧力を受けているとし、コロナ対応の広範な財政支援が終了すれば試練が訪れるとの認識を示した。
キウイバンクのチーフエコノミスト、ジャロッド・カー氏は、NZ中銀はウクライナ戦争などの国際情勢やサプライチェーンの問題に懸念を示しながらも、国内金融システムは強固と確認したと述べた。