[オスロ 5日 ロイター] - ノルウェー中央銀行は5日、政策金利を予想通り0.75%に据え置いた上で、インフレが加速する中6月に追加利上げする方針を改めて表明した。
据え置きは全会一致で、ロイター調査によるエコノミスト予想も据え置きだった。
バーチェ総裁は声明で、「見通しとリスクバランスに関する現在の委員会の評価に基づき、政策金利は6月に引き上げられる可能性が最も高い」と述べた。
中銀は昨年9月以降3回目の利上げを3月に実施。年内にあと3回、来年さらに4回利上げし、来年末までに基準金利は2.5%になるとの予想を示していた。
ウクライナ戦争が国内経済に与える潜在的影響と、それに伴う「相当な不確実性」や、成長が鈍化する中での世界的なインフレ加速によるリスクも議論したと指摘。国内の物価や賃金インフレが加速するリスクへの「懸念」を示した。
その上で「インフレが持続的に高まると予想される場合は、3月の見通しを前倒しして政策金利を引き上げる可能性がある」とした。
3月の総合インフレ率は前年比4.5%に加速したが、エネルギーと食品を除いたコアインフレ率は2.1%と緩やかな上昇。中銀は予想をやや下回る物価上昇だが、賃金上昇と輸入インフレが基調的なインフレ率を押し上げると見込んでいる。
一方で失業率はわずか1.9%で2008ー09年の金融危機以降で最低水準。中銀は「労働市場はタイトで失業水準は予想以下だ」と指摘した。
ノルデア・マーケッツのエコノミストは、中銀の示した見通しからみて来年末までに7回の追加利上げを行う計画を堅持する可能性が高いと指摘。「ウクライナ戦争は経済の不確実性を高めるが、国内経済の上振れが続く可能性は十分ある」と述べた。