[ブリュッセル 24日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会が、対ロシア制裁逃れを含む重大な違法行為などに関連する資産の円滑な押収を可能にする法案を準備していることが、ロイターが入手した草案文書で分かった。
EUは加盟国の多くで犯罪資産の差し押さえに十分な法的枠組みが整備されていないために犯罪者の資産隠しが容易になるという弱点を抱えており、対ロシア制裁を巡る資産凍結などが困難になっている。法案はこうした弱点の改善を目指すもので、25日に内容が公表される見通し。
法案が対象とする犯罪はテロリズム、犯罪組織への参加、人身売買、マネーロンダリング(資金洗浄)など。別の法案の下で、EUが導入した制裁措置に対する違反もEU全域で犯罪行為とされる
資産の差し押さえには通常は有罪判決が必要だが、法案によると、犯罪の疑いがある場合のほか、家族を含む第三者らに資産が譲渡された場合、裁判を待たずに差し押さえることができる。